インテルが第14世代と第13世代CPUの不安定性問題を解消するための新しいマイクロコード「0x129」を発表し、最初のベンチマークではパフォーマンス低下が見られないことが分かりました。
インテルの新しいマイクロコード「0x129」で不安定性問題解決
「Team Blue」として知られるインテルは、不安定性の問題を予想以上に早く解決したようです。業界関係者によれば、8月中旬には新しいマイクロコードが登場するとのことでしたが、インテルは一歩先んじて8月の第1週にマザーボード製造業者に「0x129」マイクロコードを提供しました。ASUSとMSIがこの新しいマイクロコードパッチをBIOSのアップデートとして最初に提供し、ユーザーが第14世代CPUを使用してベンチマークを実施、その詳細なパフォーマンス検証が可能になりました。
ベンチマーク結果の詳細
Cinebench R23でのテストでは、新しいマイクロコードを使用した際の性能低下はほとんど見られませんでした。特にシングルコアのテストでは2,336ポイントから2,345ポイントへとわずかに向上しました。ただし、Cinebench 2024のマルチスレッドテストでは2,136から2,124への若干の性能低下が見られ、Geekbenchでも同様の結果が得られました。
一方、TimeSpyのExtreme CPUテストでは、スコアが11,941から11,264に約700ポイントも下がり、大きな性能変化が見られました。この原因はまだ明確にはされていませんが、新しいマイクロコードに関連している可能性があります。
ゲーミング性能への影響
「Shadow of the Tomb Raider」や「Cyberpunk 2077」などのゲームタイトルでのテスト結果は、パフォーマンスの低下がほとんどないことを示しています。これにより、「0x129」マイクロコードが全体的なパフォーマンスに影響を与えなかったことが明らかになりました。
CPUのコアクロック数、温度、コアVIDを比較しても、目立った変化は見られず、全体的に新しいマイクロコードが性能を低下させることはありませんでした。
さらなる改善と未来への展望
インテルは、第13世代と第14世代のデスクトッププロセッサユーザーに向けて、このマイクロコードパッチをBIOSアップデートとしてのみ提供し、OSアップデート経由では提供していません。また、インテルは、これまでの不安定性の分析を基に、プロセッサへの電圧要求の制限といった複数の対策を講じています。
新しいマイクロコード「0x129」は、不安定性を感じていないプロセッサに対して、予防的な緩和策として1.55V以上の電圧要求を制限しています。これにより、主にK/KF/KSプロセッサの動作条件が改善され、将来の製品にはこの問題が影響しないことが確認されています。
まとめ
今回のインテルの新しいマイクロコード「0x129」は、第14世代と第13世代のCPUプラットフォームに安定性をもたらしました。長期的な安定性についての評価はまだこれからですが、現時点ではホッと一息つける結果となっています。今後もインテルの更なるアップデートに注目です。