Zotacから新しいポータブルゲーミングPC(ハンドヘルドゲーミングPC)「ZOTAC GAMING ZONE Handheld Console 」(日本語はこちら)が発表され、欧州ではScan、X-komやCasekingなどで予約受付中です。このデバイスには、他のWindowsベースのポータブルゲーミングPCにはない優れたデザインと機能が搭載されています。
ポータブルゲーミングPC市場では、各ブランドが激しい競争を繰り広げています。Valveの「Steam Deck」が非常に競争力のある価格で先陣を切る中、Ayaneo「Air 1S」、ASUS「ROG Ally X」、Lenovo「Legion Go」などが、市場シェアを求めて戦っています。
基本スペック
Zotacは数ヶ月前に「ZOTAC GAMING ZONE Handheld Console 」を発表しましたが、今回その詳細が明らかになり、欧州では予約販売が開始されました。Ryzen 8840Uを搭載し、価格は850€(約14万円)、7インチ120Hz有機ELディスプレイ、16GBのLPDDRXメモリ、512GBのベースストレージ(MicroSDスロットで拡張可能)を備えています。
Zotac ZoneとROG Ally Xは似通ったスペックを持っていますが、ROG Ally XはRyzen Z1 Extremeプロセッサーを搭載しており、若干の性能差があると考えられます。また、「AYANEO AIR 1S」もRyzen 8840Uを採用しています。今後、Ryzen 8840UがポータブルゲーミングPCのスタンダードになる可能性があり、競争の激化が予想されます。
Strix Point APU搭載機はしばらく発売されないかも?
AMDの新APU「Strix Point」を搭載したポータブルゲーミングPCは未だ市場に登場していません。このAPUは、iGPUにRDNA3.5を搭載し、圧倒的なパフォーマンス向上が期待されています。しかし、どのメーカーもまだ発表していないため、発売はしばらく先になることでしょう。Strix Point APU搭載機が登場するまで、「GAMING ZONE」は有力な選択肢となるでしょう。
2つの大きな強み
独自のデュアルトラックパッドを搭載
Zotac Zoneは、ポータブルゲーミングPCに求められるほぼすべての機能を備えていますが、特筆すべきは、Steam Deckが採用しているのと同様の、アナログスティックの下に配置された2つのトラックパッドです。
ディスプレイとトラックパッドは、最大のライバルであるROG Ally Xとの差別化要因となっています。Steam Deck以外でトラックパッドを搭載しているのは、2年前に発表されたAyaneoの「Next 2」のみですが、まだ発売には至っていません。
AMOLEDディスプレイがもたらす視覚体験
Zotac Zoneのもう一つの強みは、120Hzの高リフレッシュレートを誇るAMOLEDディスプレイです。このディスプレイ技術は、鮮やかな色彩と深い黒を実現し、ゲーム体験を大幅に向上させることが期待されます。
競合機の多くがLCDディスプレイを採用している中、AMOLEDの採用はZotac Zoneの差別化ポイントとなっています。ただし、この優れたディスプレイが実際のゲームプレイでどのように機能するかは、ユーザーレビューを待つ必要があります。
まとめ
Zotacの新しいポータブルゲーミングPC Zotac Zoneは、Steam Deckと同様のトラックパッドを搭載し、ROG Ally Xとの差別化を図っています。高性能なRyzen 8840Uと美しい有機ELディスプレイを備え、ポータブルゲーミングPC市場に新たな選択肢をもたらすことが期待されます。ただし、実機レビューがまだないため、購入前に実際の性能や使い勝手を確認することをおすすめします。Zotac Zoneが、ポータブルゲーミングPCの新しい時代を切り開くデバイスになるかどうか、今後の動向に注目が集まります。