クアルコム(Qualcomm)がインテルのチップデザインビジネスをしかるべく部分、取得しようとしていると報じられています。この動きは、競争力を高め、自社の製品ポートフォリオを改善するためのものと見られています。
インテルは現在、財政難に陥っており、この混乱から抜け出すために様々な選択肢を模索しています。その一つが、同社の部門や製造施設などの既存資産の売却です。当初は第14世代および第13世代CPUの不安定性の問題に端を発したこの一連の問題は、今や同社の56年の歴史の中で「最悪の財政期間」に発展しており、この状況から抜け出すには多大な努力が必要とされています。
クアルコムがインテルの窮地を狙って、チップ設計事業の一部を買収か
ロイターによると、インテルのライバル企業であるQualcommが、インテルのチップ設計事業の買収に乗り出そうとしているとのことです。特にクアルコムは、クライアントPC事業での存在感を示したいと考えており、インテルのリソースを取り込むことで、同市場への参入を後押しできると感じているようです。ただし、クアルコムはまだインテルに正式にアプローチしておらず、現時点ではこれはあくまでも噂に過ぎませんが、興味深いものです。
インテルは、クライアントPCセグメントへのコミットメントを表明しており、同社は今後も事業を継続し、成長させていくと主張しています。したがって、事業の重要な部門を売却することは、ここでは正しい判断とは言えません。一方、クアルコムは最近、特にSnapdragon X EliteのSKUを通じてモバイルセグメントでWindows PCの市場で大きな進歩を遂げており、同社は昨年、全体で358億2000万ドル(約5兆2000億円)の収益を上げ、AI PCブームが市場で始まれば、さらに高い収益を上げる見込みです。
インテルは資金調達のためにあの手この手、FPGA部門の売却やドイツ工場の開発中止も
インテルは、キャッシュフローを生み出すためにあらゆる方法を模索しており、当面の対策としては、FPGA部門のAlteraの売却や、300億ドル(約4兆3500億円)規模のドイツ工場の開発中止などが含まれます。また、ブルームバーグによると、同社はバイデン政権と連絡を取り合い、CHIPS法を通じて85億ドル(約1兆2300億円)の助成金と110億ドル(約1兆5950億円)の融資を受けようとしているそうです。したがって、インテルが大混乱に陥っているのは間違いないでしょう。
まとめ:
インテルは今後数週間で、特に取締役会の後に、衝撃的な決定を下す可能性が高いと言えます。そこでは、支出を抑え、資本を生み出すための計画が明らかにされるとのことです。クアルコムによるインテルのチップ設計部門の買収は、両社にとって大きな意味を持つ可能性があります。インテルにとっては資金調達の手段となり、クアルコムにとってはクライアントPC市場での存在感を高めるチャンスとなるでしょう。今後の動向に注目が集まります。