AMDは、デュアルCCDを搭載するRyzen 9000シリーズCPUに影響を与えていたレイテンシーの問題を修正したと伝えられています。この修正は、現在ベータ版として提供されている新しいAGESAアップデートの形で行われました。このアップデートにより、Zen 5のCCD間レイテンシーがZen 4と同等のレベルにまで減少したと報告されています。
Ryzen 9 9950Xのレイテンシー問題の詳細
本文: 先月末、Ryzen 9 9950XのCCD間レイテンシーがRyzen 9 7950Xよりも大幅に長いことを報告しました。Anandtechのテストによると、Zen 5プロセッサのCCD間レイテンシーは180ナノ秒で、Ryzen 9 7950Xの76ナノ秒の2倍以上でした。Zen 5 CPUはI/Oダイとインフィニティファブリックの点で前世代と同一であるため、この問題はバグのあるソフトウェアが原因であると当時指摘しました。
AGESA 1.2.0.2アップデートによるレイテンシーの改善
本文: 私たちの報告と一致して、この問題はAsusの600シリーズマザーボードのAGESA 1.2.0.2アップデートを通じて修正されたようで、Ryzen 9000のCCD間レイテンシーは以前よりも大幅に短縮されました。
Overclock.netのフォーラムでdomdtxdissarが行ったテストによると、Ryzen 9 9950XはAsus ROG Crosshair X670E GeneマザーボードでBIOS 2401(AGESA 1.2.0.2パッチ適用)を使用した場合、約75ナノ秒のCCDレイテンシーを示しています。参考までに、同じ設定でBIOS 2301(AGESA 1.2.0.1A)を使用した場合、Ryzen 9 9950Xのレイテンシーは約180ナノ秒でした。
AMDの製品は時間とともに真価を発揮
多くの人がAMDの製品、特に発売時点でのソフトウェアの問題と関連付けています。この評判はある程度正当化されます。例えば、2022年12月にRX 7900 XTとRX 7900 XTXが発売された際、アイドル時の消費電力が高いなどの問題がありました。AMDはその後、ソフトウェアアップデートでこのバグを解消しました。
AMDチップに影響を与える問題は、Microsoftなどのパートナーからのサポート不足が原因となる場合もあります。Windows 11でのRyzen 7000ベースのシステムにおけるスタッターなどがその例です。同様に、Zen 5 CPUのパフォーマンスもWindows 11 23H2よりもWindows 11 24H2の方が目に見えて優れています。
まとめ
AMDは、Computex 2024で約束した製品へとRyzen 9000プロセッサが成熟していくことを期待しています。時間の経過とともに、ソフトウェアの最適化やパートナーとの協力により、Ryzen 9000シリーズのレイテンシーの問題が解決され、真のパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。AMDは継続的な改善により、ユーザーに最高のコンピューティング体験を提供することを目指しています。