NVIDIAの次世代GPUシリーズ、GeForce RTX 50 “Blackwell”ラインナップの詳細が明らかになりつつあります。テック業界で高い信頼性を誇るリーカーのKopite7kimi氏が、最上位モデルであるGeForce RTX 5090とGeForce RTX 5080のスペックを公開しました。これらの情報から、NVIDIAが次世代GPUで大幅な性能向上を目指していることが窺えます。
今回は、この leaked情報を基に、RTX 5090とRTX 5080の詳細スペックを解説し、現行モデルとの比較や、この新世代GPUがゲーミング市場にもたらす影響について考察していきます。
RTX 5090:20,000コア超えの怪物GPU
RTX 5090は、NVIDIAの次世代GPUラインナップの最上位モデルとして登場予定です。その心臓部となるのは、GB202-300-A1 GPUコアです。このGPUは、全192 SMのうち170 SMが有効化され、驚異の21,760コアを搭載するとされています。これは、理論上の最大24,576コアから11.4%削減された数値ですが、それでも現行のRTX 4090と比較して大幅な増加となります。
メモリ構成も圧巻で、32GBのGDDR7 VRAMを512ビットインターフェースで搭載。GDDR7メモリの第一世代は28-32 Gbpsのスピードを実現すると予想され、これにより1.792または2.00 TB/sという驚異的な帯域幅を達成する可能性があります。
消費電力に関しては、TBP(Total Board Power)が600Wと設定されているようです。ただし、この値は実際のゲーミング時の消費電力とは異なり、実使用時はより低くなると予想されます。興味深いことに、Founders Editionモデルは2スロット厚のクーラーを採用するとのことです。
RTX 5080:コスパ重視のハイエンドGPU
一方、RTX 5080はGB203-400-A1 GPUダイを採用し、84 SMと10,752コアを搭載する予定です。これはRTX 5090と比較すると51%のコア数削減となり、RTX 4090とRTX 4080の差(40%)よりもさらに大きな差となっています。
メモリ構成は16GB GDDR7を256ビットインターフェースで搭載。帯域幅は896 GB/sから1024 GB/sの間になると予想されています。TBPは400Wと設定されており、これは以前リークされた情報と一致しています。
5090と5080の大きな性能差:NVIDIAの戦略は?
RTX 5090とRTX 5080の間にこれほど大きな性能差があることは、NVIDIAにとって諸刃の剣となる可能性があります。RTX 4080が価格に対する性能比で批判を受けたことを考えると、RTX 5080の価格設定が非常に重要になってきます。
多くのユーザーは、RTX 5080が1,000ドル(約145,000円)を下回る価格で登場することを期待していますが、ハイエンド市場での競争が限られていることを考えると、その可能性は低いかもしれません。
リーク情報の信頼性と今後の展開
ここで紹介したスペック情報は、現時点でのリーク情報であり、正式発表までに変更される可能性があります。NVIDIAは最終スペックを決定したとされていますが、過去の例を見ても、発売直前まで仕様変更が行われることがあります。
RTX 50シリーズの発売は今年後半か来年初頭と予想されており、数ヶ月後にはより詳細な情報が公開されると期待されています。
NVIDIA GeForce RTX 5090 & RTX 5080 GPU スペック表
グラフィックスカード名 | NVIDIA GeForce RTX 5090 | NVIDIA GeForce RTX 5080 | NVIDIA GeForce RTX 4090 | NVIDIA GeForce RTX 4080 |
---|---|---|---|---|
GPU名 | Blackwell GB202-300 | Blackwell GB203-400 | Ada Lovelace AD102-300 | Ada Lovelace AD103-300 |
GPU SM数 | 170 (192フル) | 84 (84フル) | 128 (144フル) | 76 (80フル) |
GPUコア数 | 21760 (+33%) | 10752 (+11%) | 16384 | 9728 |
クロックスピード | 未定 | 未定 | 2520 MHz | 2505 MHz |
L2キャッシュ | 未定 | 未定 | 72 MB | 64 MB |
メモリ容量 | 32 GB GDDR7 (+33%) | 16 GB GDDR7 (0%) | 24 GB GDDR6X | 16 GB GDDR6X |
メモリバス | 512ビット (+33%) | 256ビット (0%) | 384ビット | 256ビット |
メモリ速度 | 28-32 Gbps | 28-32 Gbps | 21.0 Gbps | 23.0 Gbps |
帯域幅 | 1792-2048 GB/s | 896-1024 GB/s | 1008 GB/s | 736 GB/s |
TBP(消費電力) | 600W (+33%) | 400W (+25%) | 450W | 320W |
電力インターフェイス | 1x 12V-2×6 (16ピン) | 1x 12V-2×6 (16ピン) | 1x 12VHPWR (16ピン) | 1x 12VHPWR (16ピン) |
まとめ
NVIDIA GeForce RTX 5090とRTX 5080のリークされたスペックは、次世代GPUの驚異的な性能向上を示唆しています。特にRTX 5090の20,000コア超えという数字は、ゲーミングやクリエイティブ作業に革命をもたらす可能性を秘めています。
一方で、RTX 5090とRTX 5080の間の大きな性能差は、価格設定と市場戦略において課題となる可能性があります。NVIDIAがこの差をどのようにして埋め、競争力のある製品ラインナップを構築するかが注目されます。
今後の正式発表に向けて、さらなる情報や仕様の変更にも注目が集まるでしょう。ゲーマーやクリエイターにとって、この次世代GPUがどのような可能性を開くのか、楽しみに待ちたいところです。