AMDが次世代のポータブルゲーミングPC向けに開発中のRyzen Z2 Extreme APUについて、新たな情報が明らかになりました。この革新的なチップは、ゲーミング性能と効率性を大幅に向上させ、2025年のポータブルゲーミング市場に革命をもたらす可能性があります。
Golden Pig Upgradeの報告によると、AMD Ryzen Z2 Extreme APUは、最新のRDNA 3.5グラフィックスアーキテクチャに基づく16基のコンピュートユニット(CU)を搭載するとされています。これは、現行のStrix PointシリーズAPUの中で、最高峰のGPU構成であるRadeon 890Mと同等となり、ハイエンドのポータブルゲーミングPCに搭載されることが予想されます。
革新的なGPU性能:16基のRDNA 3.5コア
Ryzen Z2 Extreme APUのGPU部分は、現在市場で最速とされるRyzen AI 9 HX 370 APUに搭載されているAMD Radeon 890Mと同等の構成になると予想されています。この強力なiGPUにより、ポータブルゲーミングPCでもデスクトップ並みのグラフィックス性能を実現できる可能性があります。
CPUに関しては、Zen 5アーキテクチャに基づく8コア16スレッド構成が採用されるとされています。具体的には、3基のZen 5コアと5基のZen 5Cコアの組み合わせになるとの情報があり、これによりパフォーマンスと効率性を最大限に引き出すことが可能になります。
効率的なCPU設計:Zen 5アーキテクチャの採用
この CPU 構成は、現行の AMD Ryzen AI 7 PRO 360 と類似しており、最大 5.0 GHz のクロック周波数を実現する可能性があります。また、TDP(熱設計電力)は9Wから30Wの範囲に設定される見込みで、ポータブルデバイスにおける電力効率と冷却性能のバランスを取ることが期待されます。
Ryzen Z2 Extreme APUは、2025年のポータブルゲーミングPC市場において最上位モデルとして位置付けられる見込みです。一方、標準的なZ2モデルやエントリーレベルのZ2Gモデルも同時に展開され、幅広い価格帯をカバーすることが予想されます。
競合との熾烈な戦い:IntelのLunar LakeとArrow Lake
AMDは、IntelのCore Ultra 200V(Lunar Lake)およびCore Ultra 200U(Arrow Lake)CPUとポータブルゲーミング市場で競合することになります。特にLunar Lake CPUは、Xe2コアを搭載し、ワット当たりの性能が大幅に向上しているとされています。これまでAMDが独占してきたこの市場セグメントにおいて、初めて真の意味での競争が始まる可能性があります。
まとめ
AMD Ryzen Z2 Extreme APUは、16基のRDNA 3.5 GPUコアと8基のZen 5 CPUコアを組み合わせることで、ポータブルゲーミングPCの性能を新たな次元に引き上げる可能性を秘めています。高性能と電力効率を両立させたこのチップは、2025年のポータブルゲーミング市場に大きな影響を与えることが予想されます。Intelとの競争が激化する中、AMDがどのような戦略を展開するのか、今後の動向に注目が集まります。
AMD Ryzen “Z” シリーズ APU一覧表
CPU名 | AMD Ryzen Z2 Extreme | AMD Ryzen Z2 | AMD Ryzen Z2G | AMD Ryzen Z1 Extreme | AMD Ryzen Z1 |
---|---|---|---|---|---|
ファミリー | Strix | Hawk | Rembrandt | Phoenix | Phoenix |
プロセスノード | TSMC 4nm | TSMC 4nm | TSMC 6nm | TSMC 4nm | TSMC 4nm |
最大コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 4/8 | 8/16 | 8/16 |
最大クロック | TBD | 5.1 GHz? | TBD | 5.1 GHz | 4.9 GHz |
最大キャッシュ | TBD | 16 MB | 8 MB | 16 MB | 16 MB |
TDP範囲 | 9-30W | 9-30W | 9-30W | 9-30W | 9-30W |
GPUアーキテクチャ | RDNA 3.5 | RDNA 3 | RDNA 2 | RDNA 3 | RDNA 3 |
最大GPUコア | 16 CUs | 12 CUs | 12 CUs | 12 CUs | 4 CUs |
発売 | 2025年上半期? | 2025年上半期? | 2025年上半期? | 2023年第3四半期 | 2023年第3四半期 |