AMD Ryzen 7 9800X3D：ゲーミング性能が大幅向上、7800X3Dを凌駕

AMDの次世代3D V-Cache CPU、Ryzen 7 9800X3Dのベンチマーク結果が流出し、現行モデルのRyzen 7 7800X3Dと比較して大幅な性能向上を示しています。Geekbenchのベンチマークでは、シングルコア性能で最大22%、マルチコア性能で最大20%の向上が確認されました。

この新型CPUは、8コア16スレッド、32MBのL3キャッシュに加えて、CCDの上に積層された64MBのSRAMを備え、合計96MBのL3キャッシュと8MBのL2キャッシュを実現しています。TDPは120Wとなっています。

クロックスピードの向上

Ryzen 7 9800X3Dは、ベースクロック4.7GHz、ブーストクロック5.2GHzという仕様で、7800X3Dの4.2GHz/5.0GHzから大幅に向上しています。実際のテストでは、5.25-5.30GHzまでブーストしており、定格を超える性能を発揮しています。

ベンチマーク結果の詳細

Geekbench 6のテストでは、Ryzen 7 9800X3Dはシングルコアスコア3305点、マルチコアスコア18,221点を記録しました。これは7800X3Dと比較して、シングルコア性能で最大22%、マルチコア性能で最大20%の向上を意味します。

さらに、全コアを5.6GHzで動作させた場合、7800X3Dと比較して最大35%の性能向上が確認されています。このことから、オーバークロッキングによってさらなる性能向上が期待できます。

競合との比較

最近発表されたIntelのCore Ultra 200S “Arrow Lake” CPUと比較しても、AMDは引き続きCPUゲーミング性能でリーダーシップを維持できる可能性が高いと見られています。Ryzen 7 9800X3Dは、高い性能と優れた効率性を両立させた製品になると予想されます。

発売時期と価格

Ryzen 7 9800X3Dの発売は11月7日と予想されています。価格については具体的な情報はまだありませんが、高性能なゲーミングCPUとして、比較的高価格帯に位置づけられる可能性があります。

まとめ

AMD Ryzen 7 9800X3Dは、3D V-Cache技術の進化と高いクロックスピードにより、前世代のモデルを大きく上回る性能を実現しています。ゲーミングPC向けCPUとして非常に魅力的な選択肢となりそうです。正式な発表と詳細な性能テストの結果が待たれるところですが、AMDのCPU市場でのポジションをさらに強化する製品になると期待されています。

AMD Ryzen 9000 “Granite Ridge” デスクトップ CPU スペック表

CPU名	アーキテクチャ	コア / スレッド	ベース / ブーストクロック	キャッシュ	グラフィックス (統合)	メモリサポート	TDP	価格 (MSRP)
Ryzen 9 9950X3D?	Zen 5	16 / 32	未定	128 MB L3 + 16 MB L2	2 x RDNA 2 CUs	DDR5-5600	未定	未定
Ryzen 9 9950X	Zen 5	16 / 32	4.3 / 5.7 GHz	64 MB L3 + 16 MB L2	2 x RDNA 2 CUs	DDR5-5600	170W	599ドル
Ryzen 9 9900X3D?	Zen 5	12 / 24	未定	128 MB L3 + 12 MB L2	2 x RDNA 2 CUs	DDR5-5600	未定	未定
Ryzen 9 9900X	Zen 5	12 / 24	4.4 / 5.6 GHz	64 MB L3 + 12 MB L2	2 x RDNA 2 CUs	DDR5-5600	120W	469ドル
Ryzen 7 9800X3D	Zen 5	8 / 16	4.7 / 5.2 GHz	96 MB L3 + 8 MB L2	2 x RDNA 2 CUs	DDR5-5600	120W	未定
Ryzen 7 9700X	Zen 5	8 / 16	3.8 / 5.5 GHz	32 MB L3 + 8 MB L2	2 x RDNA 2 CUs	DDR5-5600	65W / 105W	329ドル
Ryzen 5 9600X	Zen 5	6 / 12	3.9 / 5.4 GHz	32 MB L3 + 6 MB L2	2 x RDNA 2 CUs	DDR5-5600	65W / 105W	249ドル