AMD が8月に発表した Strix Point APU を搭載したポータブルゲーミングデバイスは、まだ市場で見つけるのが困難な状況が続いています。これは、AMD が通常ノートPCメーカーを優先して新型APUを供給するため、ミニPCやポータブルゲーミングPC製造業者の開発が遅れる傾向にあることが要因です。
世界初のHX 370搭載機
そんな中、One-Netbook が発表した OneXFly F1 Pro は、Ryzen AI HX 370 APU を搭載した世界初のポータブルゲーミングPCとなります。GPD も同チップを搭載したクラムシェル型デバイスを発表していますが、それはゲーミング専用機としてマーケティングされておらず、現時点でも入手できない状況です。
AMD Ryzen AI 9 HX 370の仕様と性能
AMD Ryzen AI 9 HX 370は、最高のパフォーマンスを追求するユーザー向けに設計されています。このCPUは12コア24スレッドの強力なパワーを持ち、AMD Radeon 890Mの16グラフィックスコアと組み合わせることで、負荷の高い作業や最新のゲームもスムーズに処理可能です。
- グラフィックスモデル: AMD Radeon 890M
- CPUコア数: 12
- スレッド数: 24
- 最大ブーストクロック: 最大 5.1 GHz
- ベースクロック: 2 GHz
- グラフィックスコア数: 16
- AMD Ryzen AI: 利用可能
AMD Radeon 890MはGTX 1650 Tiを上回るグラフィック性能を発揮し、最大ブーストクロックは5.1 GHz、ベースクロックは2 GHzで、非常に高い処理能力を実現しています。
革新的な設計と高性能ディスプレイ
F1 Pro は、従来型の中央配置スクリーンと両サイドに統合されたコントローラーを特徴としています。さらに注目すべき点として、Strix Point 搭載機として初めて OLED スクリーンを採用。多くのゲーマーが待ち望んでいた7インチ、144Hz パネルを搭載しています。
実性能の検証
One-Netbook は最近、Black Myth: Wukong (黒神話:悟空)のベンチマーク映像を公開しました。1920×1080解像度、低設定、解像度スケーリング65%での検証では、15W TDP で平均58FPSを達成。これは携帯ゲーミングデバイスとしては印象的な性能といえます。
今後の展開
F1 Pro は近日中に同社ウェブサイトで販売が開始される予定です。価格と発売日はまだ発表されていませんが、公式チャンネルでさらなるゲームプレイ映像が公開される予定とされています。
まとめ
OneXFly F1 Pro は、最新の AMD Strix Point APU と高品質 OLED ディスプレイを組み合わせた革新的なポータブルゲーミングPCとして注目を集めています。従来のゲーミングノートPCメーカーではなく、One-Netbook が先陣を切って新技術を採用したことは、ポータブルゲーミング市場に新たな風を吹き込むことになりそうです。今後の価格設定や具体的な発売時期の発表が待たれる中、さらなるベンチマーク結果や実機レビューにも期待が高まっています。