Appleが発表した新型M4 Mac miniが、そのコンパクトなデザインとお手頃価格で注目を集めています。価格は94,800円と最近発表されたPS5 Proと比べて価格も安くなっています。スペック的に劣っていない、最新のM4チップ(もしくはM4 Pro)を搭載し、16GBのRAMと256GBのストレージを備えた構成は、ゲーミングにも使えるポテンシャルを持っています。
特に、新しいM4チップの性能は高く、IntelやAMDの最新プロセッサとも互角。レイトレーシング対応でAAA級ゲームも快適に動かせる可能性があり、ハードウェア的にはゲーミングプラットフォームとして「使える」存在です。
現状のmacOS、ゲーミング市場でのポジションは?
ただ、ハードがよくてもゲーミングデバイスにはまだ足りない点が。それは「macOSが抱えるゲーミング課題」です。macOSは、2024年現在でWindowsの73%に対して15.5%のシェアを持っているものの、ゲーミング市場においては圧倒的にWindowsが強く、多くの開発者がWindows版を優先しています。macOSに向けた開発が後回しにされがちな理由は、この圧倒的な市場規模の違いにあります。
開発者にとっての「高いハードル」
さらに、macOS向けのゲーム開発には独特の制約が。Apple Developer IDやアプリの公証に加え、XCodeという専用ツールの利用が必須で、macOSでしか開発が進められないために開発者はMacを購入しなければなりません。これらの金銭的な負担が、特にインディーや小規模なスタジオには厳しい壁になっており、結果として多くのタイトルがmacOS版で提供されないという現実が生まれています。
Steam上のタイトル不足がもたらす影響
この問題は、ゲームのラインナップにも直結。Steamを覗けば、Counter-Strike 2、Call of Duty、PUBGなどの人気ゲームがmacOSには未対応。ゲーマーにとってはこれは決して見逃せないポイントで、マシンがいくら良くても対応するゲームが少ないと手を出しにくい状況が続きます。
Appleの取り組みと解決策への期待
とはいえ、Appleも放置しているわけではありません。WWDC 2024で発表された「Game Porting Toolkit」は、WindowsゲームのmacOS向け移植を後押しするもので、Appleは明確にゲーミング市場への興味を示しています。ただし、macOS向けの開発を積極的に行ってもらうには、開発者が参入しやすい環境づくりが急務です。
まとめ:M4 Mac mini、ハードは合格でも「選ばれるプラットフォーム」への道は険しい
M4 Mac miniは、パワフルなハードウェアと手頃な価格で、ポテンシャルは十分。しかし、真にゲーミングプラットフォームとして台頭するためには、macOSのゲーム環境がもっと整備され、魅力的なゲームが揃う必要があります。
Appleのリソースを活かせば、この課題が解決する日も来るかもしれません。M4 Mac miniの登場で、今後AppleがどのようにmacOSのゲーミングプラットフォームとしての可能性を引き出していくか。そして開発者コミュニティがどのように反応するかが、注目されるところです。