半導体工業会(SIA)は本日、2024年第3四半期の世界の半導体売上高が1,660億ドル(約24兆円)に達したと発表しました。これは前年同期比で23.2%、前期比で10.7%の増加を示しています。2024年9月の世界の売上高は553億ドル(約8兆円)で、2024年8月の531億ドル(約7.7兆円)から4.1%増加しました。
SIAのCEOであるジョン・ニューファー氏は、「2024年第3四半期も世界の半導体市場は成長を続け、四半期ごとの売上高は2016年以来の最大の伸び率を示しました。9月の売上高は過去最高の月間売上高を記録し、米州では前年同月比46.3%の増加が牽引しました」とコメントしています。
AIブームと旺盛な消費者需要が半導体市場を牽引
本文: 2024年の半導体売上高の大幅な増加は、AI業界の発展と密接に関連しています。特に、NVIDIA社などのメーカーが「プッシュアウト」するコンピューティングパワーに対する需要の増加が、半導体の需要を促進しています。TSMC社などの企業は、特に3nm以下の製品に対する需要の着実な増加を報告しており、市場の進化を考えると、2025年に向けて需要は引き続き拡大すると言っても過言ではありません。
地域別の売上高動向 – 米国と中国が大幅な増収
本文: 9月の地域別の前年同月比売上高は、米州が46.3%、中国が22.9%、アジア太平洋/その他が18.4%、日本が7.7%の増加となった一方で、欧州は8.2%の減少となりました。9月の月間売上高は、日本が5.3%、アジア太平洋/その他が4.5%、米州が4.1%、欧州が4.0%、中国が3.6%の増加となりました。
米国と中国の半導体市場が大幅な増収を示したのは、両国におけるAI関連企業の積極的な投資と、ポータブルゲーミングPCやノートPCなどの消費者向け電子機器の需要増加が主な要因と考えられます。一方、欧州市場の減少は、地政学的な緊張や経済的な不確実性が影響を及ぼしている可能性があります。
まとめ
2024年第3四半期の世界の半導体売上高は、前期比23%増の1,660億ドル(約24兆円)に達し、AIブームと旺盛な消費者需要が市場を牽引しました。特に9月の月間売上高は過去最高を更新し、地域別では米国と中国が大幅な増収を示しました。半導体業界は、AI関連企業の投資拡大やポータブルゲーミングPC、ノートPCなどの需要増加により、今後も力強い成長が期待されます。ただし、地政学的リスクや経済の不確実性など、市場の成長を阻害する要因にも注意が必要です。各企業は技術革新と需要動向を的確に捉えながら、戦略的な事業展開を進めていく必要があるでしょう。