ASUSの人気2-in-1ポータブルゲーミングPC「ROG Flow Z13」の新モデルに搭載されていたAMDの次世代APU「Ryzen AI MAX+ 395」(開発コードネーム:Strix Halo)のベンチマーク結果が公開され、CPUとGPUの両面で大幅な性能向上が確認されました。特に統合GPUの性能は、従来のAPUの常識を覆すほどの革新的な進化を遂げています。
CPU性能:Zen 5アーキテクチャがもたらす高性能化
Geekbench 6.3での測定では、シングルコアスコア2,894点、マルチコアスコア20,708点を記録。現行のフラッグシップモデルRyzen 9 7945HXと比較して、マルチコア性能で25-30%の大幅な向上を達成しています。
16コア32スレッド構成を採用し、ベースクロック3.0GHz、ブーストクロック約4.0GHzで動作。各CCDに32MBのL3キャッシュを搭載することで、高度な演算処理にも対応します。
統合GPU性能の革新的な進化
最も注目すべきは、Radeon 8060S統合GPUの性能です。40基のコンピュートユニットを搭載し、OpenCLベンチマークで76,961点を記録。これは独立GPU「Radeon RX 7700S(32CU)」の72,941点を上回る驚異的な性能です。
従来のAPUでは考えられなかったこの性能は、モバイルコンピューティングの新時代を予感させるものです。特に、省電力性と高性能を両立させた点は、技術的な breakthrough(画期的な進歩)と言えるでしょう。
ベンチマーク詳細分析
Geekbench 6.3のCPUテスト
- シングルコア性能:2,894点 (Ryzen 9 7900Xの2,926点に迫る性能)
- マルチコア性能:20,708点 (従来のモバイルCPUを大きく上回る)
GPUベンチマーク
- OpenCLスコア:76,961点 (NVIDIA RTX 2070と同程度の性能)
- 40CUという大規模な統合GPU構成
- RDNA 3アーキテクチャの採用
次世代APUが示す可能性
この新型APUは、従来の「CPUとGPUは別々に」という常識を覆す可能性を秘めています。特にモバイル環境において、独立GPUなしでも高度なグラフィックス処理が可能となることで、デバイスの小型化や省電力化が進むことが期待されます。
また、AI処理ユニットの搭載により、機械学習やAI処理の高速化も実現。次世代のコンピューティングに必要な要素を1チップに統合している点も注目です。
まとめ
AMD Ryzen AI MAX+ 395は、APUの新たな可能性を示す革新的な製品と言えます。特に統合GPUの性能向上は、モバイルコンピューティングの未来を大きく変える可能性を秘めています。
2025年初頭の製品化に向けて、さらなる性能改善や最適化が進められると予想されます。統合GPUがdGPUに匹敵する性能を持つ時代の幕開けとなるか、今後の展開が非常に注目されます。
APUの進化は、ポータブルゲーミングPCやノートPCの設計にも大きな影響を与えることが予想され、コンピューティング市場全体にパラダイムシフトをもたらす可能性を秘めています。
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