日本の半導体メーカーRapidus(ラピダス)が、最先端の2nmプロセス製造技術の開発を本格的に開始することを発表しました。同社は、オランダASML社の最新EUV(極端紫外線)露光装置を導入し、2025年までに試験生産を開始する計画を明らかにしました。
Rapidusの野心的な計画
Rapidusの計画によると、2025年4月から試験生産を開始し、2027年には商業生産へと移行する予定です。これは業界最大手のTSMCと比較してもわずか2年程度の遅れに留まります。同社はすでにIBMからの受注を確保しており、業界での存在感を着実に高めています。
NVIDIA採用の可能性
特筆すべきは、グラフィックスチップ大手NVIDIAが、Rapidusとの提携の可能性を示唆している点です。NVIDIAは現在、TSMCへの依存度が高く、サプライチェーンの多様化を模索しています。Rapidusの高い歩留まりとノード性能が評価され、新たな製造パートナーとして検討されているとされます。
日本の半導体産業への影響
ASMLの最新EUV装置の導入は、日本の半導体産業にとって画期的な出来事です。この装置は12月末までに設置される予定で、日本は世界でも限られたASMLの最先端装置を保有する国の一つとなります。
今後の展望
半導体市場は2030年までに1兆ドル(約150兆円)規模に成長すると予測されており、特にAI需要の増加が大きな推進力となっています。Rapidusは、TSMCやSamsung、Intelといった既存の大手メーカーに対抗できる新たな選択肢として期待されています。
まとめ
Rapidusの2nmプロセス製造への参入は、日本の半導体産業の復活を象徴する重要な一歩となります。NVIDIAとの潜在的な提携可能性や、IBMからの受注獲得など、着実な進展を見せています。今後の技術開発や生産能力の拡大が、グローバル半導体市場でのポジション確立の鍵となるでしょう。