NVIDIAは最新のGeForce RTX 5000シリーズの一部製品において、ROP(ラスターオペレーションパイプライン)が仕様より少ない状態で出荷される問題が発生していることを認めました。当初はRTX 5090とRTX 5070 Tiのみが影響を受けているとされていましたが、その後の調査でRTX 5080にも同様の問題が確認されました。
問題の詳細と影響
週末にRedditユーザーが投稿したGPU-Zのスクリーンショットにより、RTX 5080にもROP欠損の症状が確認されました。問題のある製品では、以下のようにROP数が本来の仕様より少ない状態となっています:
- GeForce RTX 5090(D):176個→168個
- GeForce RTX 5080:112個→104個
- GeForce RTX 5070 Ti:96個→88個
NVIDIAによると、この問題による平均的なグラフィックス性能への影響は約4%とされています。ただし、AI処理や計算処理には影響がないとのことです。
問題の原因と対象製品
この問題は製造工程での異常により発生したとされ、NVIDIAは対象となる製品は全体の約0.5%(0.5パーセント)であると発表しています。RTX 5080の場合、GB203シリコンの1つのビデオエンジンを無効化する際に、誤ってROPの一部も無効化されてしまったことが原因とされています。
対応方法と課題
NVIDIAのGeForce部門グローバルPRディレクターであるBen Berraondo氏は、The Vergeに対して「影響を受けたユーザーは、ボードメーカーに連絡して交換を依頼することができる」と述べています。
しかし、この対応には以下のような課題が指摘されています:
- ユーザー自身で問題を発見する必要がある
- 専用の診断ツールが提供されていない
- 迅速な交換のための特別なプロセスがない
- 在庫状況によっては交換に時間がかかる可能性がある
まとめ
NVIDIAの最新GPUで発生したROP欠損問題は、製品全体の0.5%という限定的な影響ではあるものの、高額な製品であるだけに深刻な問題として受け止められています。影響を受けたユーザーは各ボードメーカーに連絡して交換対応を求めることができますが、交換プロセスの不透明さや診断方法の課題など、いくつかの問題点が残されています。
今後のNVIDIAの対応や、より効率的な問題解決方法の提供が期待されます。また、このような製造上の問題を防ぐための品質管理の強化も重要な課題となっています。
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