任天堂の次世代ゲーム機「Nintendo Switch 2」で動作する「サイバーパンク2077」の新映像が公開され、携帯モードでの驚異的なパフォーマンスが明らかになりました。YouTube チャンネル「Deck Wizard」が公開した映像では、40FPSを目標とするパフォーマンスモードでゲームが動作している様子が確認できます。発売前のバージョンということもあり、一部でフレームレートの低下が見られるものの、全体的には画質と動作の両面で素晴らしいパフォーマンスを発揮。特に注目すべきは、Valve社のポータブルゲーミングPC「Steam Deck」と比較して、明らかに優れた映像体験を提供している点です。
この映像は、Nintendo Switch 2が高負荷のオープンワールドゲームも快適に動作させる能力を持つことを証明するものとなっています。CD Projekt Red社が開発した「サイバーパンク2077」は、発売当初から非常に要求の高いゲームとして知られており、高性能なPC環境でさえ苦戦することがあるタイトルです。そのようなゲームがポータブル機で、しかも見た目の美しさを損なうことなく動作している事実は、Nintendo Switch 2の技術的優位性を明確に示しています。
サイバーパンク2077アルティメットエディションの詳細
Nintendo Switch 2版「サイバーパンク2077」は「アルティメットエディション」として発売される予定で、ベースゲームに加え、拡張パック「ファントムリバティ」も収録されています。特筆すべきは、パッケージ版では追加ダウンロードなしでプレイ可能という点です。ベースゲームと拡張パックの両方が、容量64GBの大型カートリッジに収録されるため、インターネット環境がない場所でもすぐにプレイを開始することができます。
これは近年のゲーム業界では珍しい対応と言えます。多くの大型タイトルでは、パッケージを購入してもディスクやカートリッジには一部のデータのみが収録され、残りは数十GBに及ぶダウンロードが必要になるケースが増えているからです。Nintendo Switch 2版「サイバーパンク2077」では、そうした不便さがなく、購入後すぐに完全版をプレイできる点が大きなメリットとなっています。
Nintendo Switch 2のパワーとパフォーマンス
今回公開された映像で最も注目すべき点は、Nintendo Switch 2のパフォーマンスです。40FPSというフレームレートは、一般的なコンソールゲームが目指す60FPSには及ばないものの、携帯機としては非常に優れた数値と言えます。特にSteam Deckでの「サイバーパンク2077」プレイと比較すると、その差は明らかです。
Steam Deckでは、「サイバーパンク2077」をプレイする場合、30FPSを維持するために解像度や詳細設定を大幅に下げる必要があることが多く、それでも安定性に欠けるケースが報告されています。一方、Nintendo Switch 2では40FPSという高いフレームレートを目標としながらも、画質の犠牲が少なく、都市部の複雑な景観でも安定した描画を実現しています。
この性能差は、Nintendo Switch 2が最新世代のカスタムNVIDIAチップを搭載し、効率的な冷却システムと最適化されたソフトウェアを組み合わせることで実現していると考えられます。また、NVIDIAのDLSS(Deep Learning Super Sampling)のような先進的な画像処理技術が採用されている可能性も高く、これにより低い描画解像度からより高品質の映像を生成することが可能になっています。
技術仕様の詳細分析
映像からは、Nintendo Switch 2版「サイバーパンク2077」が採用している技術的な工夫も垣間見えます。明らかに動的解像度スケーリングが採用されており、複雑なシーンでは一時的に解像度を下げることで、フレームレートの安定性を保っています。しかし、その切り替えは非常にスムーズで、一般的なプレイヤーが気づくほどの明らかな劣化は見られません。
また、ライティングや反射効果においても、レイトレーシングほどではないものの、スクリーンスペースリフレクションなどの技術を効果的に利用することで、視覚的な魅力を保っています。特に夜間のナイトシティの街並みは、ネオンの輝きや雨の表現など、原作の雰囲気を十分に再現しています。
テクスチャの解像度も、ポータブルゲーミングPCとしては非常に高く、近距離のキャラクターや重要なオブジェクトはディテールが失われることなく表示されています。もちろん、高性能PCやPlayStation 5、Xbox Series Xでのプレイと比較すれば一定の妥協はありますが、携帯モードで遊ぶことを前提とすれば、その差は許容範囲内と言えるでしょう。
発売日と対応プラットフォーム
「サイバーパンク2077 アルティメットエディション」は、2025年6月5日にNintendo Switch 2向けに全世界同時発売される予定です。同タイトルは、すでにPC、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X、Xbox Series S、Xbox One向けに発売されています。
ただし、拡張パック「ファントムリバティ」については、PC、PlayStation 5、Xbox Series X|Sのみの対応となっており、旧世代機では利用できません。Nintendo Switch 2版は、この点でも旧世代機ではなく最新世代機と同等の扱いを受けていることが分かります。
Nintendo Switch 2の価格が大幅に上昇する可能性
一方で、任天堂のサプライヤーからは、Nintendo Switch 2の価格が大幅に上昇する可能性があるという警告も出されています。これは部品調達コストの上昇や為替の変動、そして高性能化に伴う製造コストの増加などが要因とされています。
現行のNintendo Switchは、標準モデルが約33,000円、有機ELモデルが約45,000円で販売されています。

Nintendo Switch 2の日本での価格は「日本語版/国内専用」バージョンの価格は49,980円(税込)、「多言語対応」バージョンはMy Nintendo Storeを通じて69,980円(税込)で独占的に販売されます。
これらの価格は、公式に発表されていますが、上記の要因により販売後まもなく値上げされる可能性が心配されています。
まとめ:Nintendo Switch 2は次世代ポータブルゲーミングの新基準となるか
今回公開された「サイバーパンク2077」の映像は、Nintendo Switch 2が単なる現行Switchの小幅な改良ではなく、真の意味での次世代機であることを示す証拠と言えるでしょう。特にSteam Deckと比較して明らかな優位性を示している点は、ポータブルゲーミング市場における任天堂の強い立ち位置を再確認させるものです。
「サイバーパンク2077」のような要求の高いタイトルが快適に動作するという事実は、今後さらに多くのAAAタイトルがNintendo Switch 2に移植される可能性を示唆しています。これまで技術的な制約から任天堂ハードウェアでプレイできなかった多くのゲームが、Nintendo Switch 2では実現可能になるかもしれません。
価格の上昇は懸念材料ではありますが、提供される性能と携帯性のバランスを考えれば、多くのゲーマーにとって魅力的な選択肢となることは間違いないでしょう。Nintendo Switch 2が発売される2025年6月5日、「サイバーパンク2077 アルティメットエディション」とともに、ポータブルゲーミングの新時代が幕を開けることになりそうです。