AMDは先日、新世代のハイエンドデスクトップCPU「Ryzen 9000」シリーズを発表しました。Zen 5アーキテクチャを採用したRyzen 9 9950XとRyzen 9 9900Xは、マルチスレッド性能と電力効率の向上を実現しています。しかし、発売価格が高めに設定されていたため、ユーザーからの反応は芳しくなく、発売直後の販売台数は伸び悩んでいるようです。
欧米市場で早くも値下げが始まる
欧州市場では、発売から数日後にRyzen 9000シリーズの価格が最大8%下落したと報告されています。特にハイエンドモデルの値下げが目立ちますが、普及価格帯のRyzen 7やRyzen 5シリーズにも値下げが求められています。この価格調整は、新チップの販売不振に対する反応とみられていますが、Zen 5チップの供給量が少ないとの報告もあり、AMDはパートナー企業と協力して在庫の補充に努めているようです。
米国市場でもRyzen 9 9950XとRyzen 9 9900Xが値下げ
米国の小売業者B&H Photoは現在(2024年8月24日)、AMD Ryzen 9 9950Xを623ドル(約91,581円)で提供しており、これは希望小売価格の699ドル(約102,753円)から4%引き下げられた価格です。一方、Ryzen 9 9900Xは449ドル(約66,003円)で販売されており、希望小売価格の499ドル(約73,353円)から10%引き下げられています。他の小売業者もRyzen 9 9900Xの価格を493.43ドル(約72,533円)に下げていますが、B&Hほど積極的ではありません。しかし、一つの小売業者が値下げを実施すれば、他社もすぐに追随するのが常です。欧州の小売業者でも同様の傾向が見られることから、米国市場ではさらなる値下げが予想されます。
日本市場への影響は?
欧米市場でのRyzen 9000シリーズの値下げは、日本市場にも影響を与える可能性があります。日本のAMD正規代理店は、欧米での価格動向を注視しながら、適切な価格設定を行うと予想されます。ただし、為替レートや輸入コストなどの要因により、欧米と同じ割合での値下げが実現するかどうかは不透明です。しかし、競争の激しい日本市場において、Ryzen 9000シリーズの価格が下がれば、IntelのCPUとの価格競争が激化し、消費者にとってはより手頃な価格でハイエンドCPUを入手できる機会が増えるかもしれません。
ゲーム性能はIntel現行世代とほぼ同等
AMDは最近、Ryzen 9000 “Zen 5″CPUのゲーム性能について新しいブログ記事を公開しました。AMDによる新しい評価では、Ryzen 9000のゲーム性能はIntelの現行世代製品とほぼ同等であることが示されています。以前の数値は、Zen 5チップが競合製品に対して10%以上のリードを示していたため、ゲーマーにとってはやや残念な結果となりました。レビュアーも同様の結果を確認しており、前世代と比較して同等かわずかに高速なゲーム性能を発揮していますが、競合製品ほどではありません。今回の価格調整は、このブログ記事を受けて行われたのかもしれません。
まとめ
AAMD Ryzen 9000シリーズは、発売直後から欧米市場で値下げが始まっており、日本市場にも影響を与える可能性があります。為替レートや輸入コストなどの要因により、欧米と同じ割合での値下げが実現するかどうかは不透明ですが、価格競争の激化により、消費者にとってはより手頃な価格でハイエンドCPUを入手できる機会が増えるかもしれません。ゲーム性能はIntelの現行世代製品とほぼ同等であることが明らかになり、当初の期待より少し下振れしたことが値下げの一因とみられます。今後、供給量の増加と価格の安定化が進めば、Ryzen 9000シリーズのコストパフォーマンスは大きく改善するでしょう。ハイエンドCPUを検討中の方は、この機会に購入を検討してみてはいかがでしょうか。