AMDの次世代APU「Strix Halo」(Ryazen AI Max+ Pro)に搭載される統合GPU「Radeon 8060S」および「8050S」の性能データがPassMarkデータベースに登場し、業界に衝撃を与えています。これらの統合GPUは、すでにエントリーレベルのデスクトップGPU「RX 7600」を上回る性能を示しており、統合グラフィックスの新時代の幕開けを予感させる結果となっています。
Strix Haloの仕様と性能詳細
Strix Haloのフラッグシップモデルには、16コアのZen 5プロセッサと40CUのRDNA 3.5 iGPUが搭載されると報告されています。PassMarkの3Dグラフィックステストでは、Radeon 8060Sが15,965ポイント、Radeon 8050Sが16,663ポイントを記録。これは現行のRX 7600をわずかに上回る数値です。
特筆すべきは、ノートPC向けRTX 4070(スコア19,609ポイント)との比較で、わずか15%の差に収まっている点です。これは開発段階のサンプル品での結果であり、正式リリース時にはさらなる性能向上が期待されます。
新しい命名規則とブランド戦略
AMDは「Strix Point」APUで導入した「Ryzen AI」に続き、GPU命名規則も刷新。従来の「RX xx00 XT」から「RX x0x0 XT」形式へと変更されます。例えば、RDNA 4世代では、RX 7700 XTの後継が「RX 9070 XT」となる予定です。
統合GPUも「Radeon 80x0S」というブランディングが採用され、Ryzen AI Max+ Pro 395とRyzen AI Max Pro 390に搭載される予定です。
市場への影響と今後の展望
この性能結果は、ノートPCやポータブルゲーミングPC市場に大きな影響を与える可能性があります。特に、エントリーからミドルレンジの専用GPUの必要性が薄れ、よりコンパクトで省電力なシステム設計が可能になると予想されます。
まとめ
AMD Strix HaloのiGPUは、統合グラフィックスの常識を覆す画期的な製品となりそうです。デスクトップGPUに迫る性能と、効率的なシステム設計の可能性は、PC市場に新たな選択肢をもたらすことでしょう。正式リリース時の実性能と価格設定に、業界の注目が集まっています。