フランスの大手ゲーム開発・発行会社であるUbisoftが、中国のテクノロジー巨大企業テンセントによる買収の噂に対して、公式声明を発表しました。この声明は、業界内外で大きな波紋を呼んでいます。
Ubisoftは月曜日に発表した声明の中で、「当社は定期的に全ての戦略的選択肢を利害関係者の利益のために検討しており、適切な場合には市場に通知する」と述べています。さらに、「現在の経営陣は、オープンワールド・アドベンチャーとGaaS(Games as a Service)ネイティブ体験という2つの中核的な部門を中心とした戦略の実行に注力している」と付け加えています。
この簡潔な声明からは、Ubisoftが慎重な姿勢を取っていることが伺えます。しかし、業界内では様々な憶測が飛び交っています。
テンセントとGuillemot(ギルモ)家の連携?その真相
噂によると、テンセントはUbisoftの創業家であるギルモ家と連携し、Ubisoftを買収して非公開企業化することを検討しているとされています。テンセントは既にUbisoftの株式10%を保有しており、さらにGuillemot Brothers Ltd.の49.9%の株式も所有しています。
この動きは、Ubisoftの現状を考えると驚くべきものではありません。最近、Ubisoftの株価は19%も下落し、主力タイトルである「アサシン クリード シャドウズ」の発売延期や、「スター・ウォーズ アウトローズ」の販売不振など、厳しい状況に直面しています。
Ubisoftの経営難と今後の展望
「スター・ウォーズ アウトローズ」は、Ubisoftが多額の資金を投入したにもかかわらず、発売から1ヶ月で100万本しか売れませんでした。これは、同社にとって大きな打撃となっています。
さらに、Ubisoftは既に大規模なレイオフを実施しており、特にIT部門や特殊効果スタジオが影響を受けています。もし非公開化が実現すれば、新CEOの就任や更なる人員削減など、大規模な再構築が行われる可能性が高いと見られています。
業界の注目が集まる「アサシン クリード シャドウズ」
Ubisoftの命運を左右する可能性のある「アサシン クリード シャドウズ」は、来年に発売が延期されました。このゲームの成功如何によって、Ubisoftの今後の方向性が大きく変わる可能性があります。
業界関係者は、Ubisoftがこのゲームの発売までに何らかの決断を下すのか、それとも発売後の結果を見てから動くのか、注目しています。
まとめ
Ubisoftの未来は不透明な状況が続いています。テンセントによる買収の噂、ギルモ家との連携の可能性、そして主力タイトルの成績など、多くの要因が絡み合っています。今後の展開次第では、ゲーム業界の勢力図が大きく変わる可能性もあります。Ubisoftの動向に、業界全体が注目し続けることは間違いありません。
今後も、Ubisoftに関する最新情報を随時お届けしていきます。ゲーム業界の動向に興味のある方は、引き続き当ブログをチェックしてください。
Ubisoft声明
2024年10月7日 パリ – Ubisoftは、最近の報道における同社に関する潜在的な関心について注目しています。Ubisoftは、ステークホルダーの利益のために定期的にすべての戦略的選択肢を検討しており、適切な時期に市場に通知する予定です。
同社は、現在の経営陣が2つの主要分野、すなわちオープンワールドアドベンチャーとGaaS(Games as a Service)に基づいた体験に重点を置いた戦略の実行に注力していることを改めて表明します。
Ubisoft Company Statement