Intelの最新プロセッサー、Lunar Lake世代のCore Ultra 200シリーズ（ Core Ultra 7 258Vなど）に搭載される新型統合グラフィックス「Arc 140V」が、驚くべき性能を発揮していることが明らかになりました。この新しいiGPUは、Xe2アーキテクチャーを採用しており、これまでのIntel製品を大きく上回る性能を示しています。
特筆すべきは、高負荷なゲームタイトルである「Cyberpunk 2077」をレイトレーシング有効の状態でプレイできるという点です。これは統合グラフィックスとしては画期的な成果と言えるでしょう。
Cyberpunk 2077でのパフォーマンス
YouTubeチャンネル「TechEpiphany」による検証では、Lenovo Yoga Slim 7iに搭載されたArc 140V iGPUを使用し、Cyberpunk 2077を1080p解像度、レイトレーシング反射有効、低〜中設定で30FPS以上を維持できることが示されました。この際、Intelの画像アップスケーリング技術「XeSS」を「Balanced」モードで使用しています。
レイトレーシングを無効にした場合、さらに高いフレームレートを実現。XeSSを「Quality」モードに設定し、低〜中設定で50FPS以上を記録しています。また、画像アップスケーリングを使用しない場合でも、1080p解像度、低〜中設定で30FPS後半のパフォーマンスを示しました。
前世代からの飛躍的な進化
Arc 140Vの性能は、前世代のIntel統合グラフィックスと比較すると、その進化の度合いが顕著です。以前の8コアIntel Arc iGPUでは、Cyberpunk 2077を1080p解像度、最低設定で38FPSしか出せませんでした。この数字と比較すると、Arc 140Vがいかに大きな進歩を遂げたかが分かります。
将来性と市場への影響
この新しいiGPUの登場により、Intel搭載のノートPCやポータブルゲーミングPCの性能が大幅に向上することが期待されます。例えば、将来登場するMSI Claw 8 AI+のようなLunar Lake搭載デバイスは、AMD製品ベースの機器と互角以上の性能を発揮する可能性があります。
まとめ
Intel Arc 140V iGPUの登場は、ノートPCやポータブルゲーミングPCのゲーミング性能に新たな可能性をもたらします。レイトレーシングのような高度なグラフィック技術をiGPUで実現できるようになったことで、よりコンパクトで高性能なデバイスの登場が期待されます。Intelにとっては苦戦が続いていた統合グラフィックス市場で、大きな巻き返しのチャンスとなるでしょう。今後のIntel製品の展開と、競合他社の対応に注目が集まります。
