【GPU新技術】AMD FSR 4.1 正式リリース — RX 9000専用ML アップスケーリング、実際のゲームFPSへの影響を整理する

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スペックシートを読む限り、FSR 4.1 の変更点は「精度の改善」「Ray Regeneration の強化」「Ultra Performance モードの底上げ」の3点です。いずれも定性的な表現が多く、独立した定量ベンチマークが出るまでは数字として語れません。ただし、ソニー PS5Pro用の新しい PSSR と共有アルゴリズムを採用した点は技術的に注目に値します。ここでは判明している事実を整理しておきます。

この記事でわかること

  • FSR 4.1 で何が変わったか——公式発表内容と技術的背景
  • なぜ RX 9000 シリーズ(RDNA 4)専用なのか——旧世代が非対応の理由
  • RX 7000・6000 シリーズユーザーへの実際の影響

FSR 4.1 — リリース内容と対応 GPU

AMD は 2026年3月19日、FSR(FidelityFX Super Resolution)のバージョン 4.1 を正式リリースしました。対応するのは Radeon RX 9000 シリーズのみです。

FSR はバージョン 1〜3 まで幅広い GPU で動作する汎用アップスケーリング技術でした。FSR 4 から ML(機械学習)ベースのアルゴリズムに移行し、対応ハードウェアが RDNA 4 アーキテクチャ搭載の RX 9000 シリーズに限定されています。FSR 4.1 はその FSR 4 の改良版という位置づけです。

対応 GPU 一覧

シリーズアーキテクチャFSR 4.1 対応
Radeon RX 9000 シリーズRDNA 4対応
Radeon RX 7000 シリーズRDNA 3非対応
Radeon RX 6000 シリーズRDNA 2非対応
NVIDIA GPU(各世代)非対応
AMD Radeon RX 9070 XT

RX 9000 シリーズとしては現時点で RX 9070 XT・RX 9070 が発売済みです。今後追加される RX 9000 シリーズ製品も対応対象となります。

何が改善されたのか — 公式発表内容を整理する

AMD が発表した FSR 4.1 の改善点は大きく3つです。

1. ML アップスケーリング精度の向上

FSR 4(および 4.1)は ML ベースのアルゴリズムを採用しています。FSR 4.1 では、このアルゴリズムが更新され、低解像度フレームから高解像度フレームを生成する際の細部再現性が改善されています。

具体的には、テクスチャのエッジ・細かいジオメトリ・遠景の描写精度が向上しています。特にカメラが移動する際の輪郭のゴースト(ぼやけや残像)が抑制されています。

2. Ray Regeneration の改善

Ray Regeneration は FSR のレイトレーシング向け補助機能です。レイトレーシングでは解像度を下げると光の反射・影・アンビエントオクルージョンの品質が低下しますが、Ray Regeneration が欠落したレイ情報を補完します。

FSR 4.1 ではこの Ray Regeneration の精度が改善されており、レイトレーシング有効時の映像品質がより安定します。反射面や複雑な光源を含むシーンでの効果が大きいとされています。

3. Ultra Performance モードの改善

Ultra Performance モードは最も強い解像度スケーリングを行うモードです(例:1080p 出力を 540p 入力から生成)。スケーリング比が高いほどアーティファクト(映像の乱れ)が生じやすくなりますが、FSR 4.1 では ML アルゴリズムの改良によりこのモードでの品質が向上しています。

Ultra Performance モードで許容できる映像品質が得られれば、FPS への恩恵が最も大きくなります。

改善点まとめ

改善項目内容
ML アップスケーリング精度カメラモーション時のゴースト抑制・細部再現性向上
Ray Regenerationレイトレ有効時の反射・影品質の安定化
Ultra Performance モード最高スケーリング比での映像品質向上
Sony PSSR との共有アルゴリズム更新版 PSSR と同一のアルゴリズムを採用

なぜ RX 9000 専用なのか — RDNA 4 の技術的背景

スペックシートを読む限り、FSR 4.x が RDNA 4 専用である理由は ML 処理ユニットの有無に集約されます。

RDNA 4 には機械学習演算を高速処理するための専用ハードウェア(AI アクセラレーター)が搭載されています。FSR 4 の ML ベースアルゴリズムはこのハードウェアを前提とした設計です。RDNA 3 以前には同等のハードウェアがないため、同じアルゴリズムをそのまま動かすことができません。

RDNA 世代と ML 処理能力の比較

アーキテクチャ搭載 GPUAI アクセラレーターFSR 4.x 対応
RDNA 4RX 9000 シリーズあり(専用ハードウェア)対応
RDNA 3RX 7000 シリーズ限定的(汎用 shader 演算)非対応
RDNA 2RX 6000 シリーズなし非対応

RDNA 3 でも汎用 shader を使えば ML 演算は可能ですが、処理速度が大幅に落ちます。実用的なフレームレートを維持しながらリアルタイム ML アップスケーリングを動かすには、専用ハードウェアが必要です。理論値はともかく、実際のゲームで出る FPS は別の話です——専用ユニットなしでは ML の計算コストがフレームレートを圧迫します。

ソニー PSSR との共有アルゴリズムが示すもの

今回の FSR 4.1 では、ソニー の PlayStation Spectral Super Resolution(PSSR)の更新版と共有のアルゴリズムを採用しています。

PSSR は PlayStation 5 Pro に搭載された ML ベースのアップスケーリング技術です。AMD と Sony は GPU アーキテクチャレベルで協業関係にあり(PS5 Pro の GPU も AMD 製)、アルゴリズムの共有は技術的に自然な流れです。

PSSR との共通化が意味するのは、コンシューマー機向けに最適化・検証されたアルゴリズムが PC 向けにも適用されるということです。コンソール環境はハードウェア構成が固定されているため、最適化の密度が高くなります。その知見が FSR 4.1 に反映されている点は、純粋に技術的なアドバンテージとして評価できます。

旧世代ユーザーへの影響(RX 7000・6000 シリーズ)

結論から言うと、FSR 4.1 の恩恵は RX 9000 シリーズ以外には届きません。

RX 7000・6000 シリーズのユーザーが利用できるのは引き続き FSR 3.x です。FSR 3 はシェーダーベースの空間アップスケーリングと Frame Generation(フレーム補間)を組み合わせた技術で、幅広い GPU で動作しますが、ML ベースではありません。

旧世代ユーザーの選択肢

技術対応 GPU方式特記
FSR 4.1RX 9000 のみML ベース今回のリリース
FSR 3.xRX 7000 / 6000 / その他シェーダーベース引き続き利用可
FSR 3 Frame GenerationRDNA 3 以降フレーム補間RX 7000 は対応

AMD は RDNA 3(RX 7000 シリーズ)への FSR 4 拡張については現時点で発表していません。拡張の可能性は否定されていませんが、確約もされていない状況です。

RDNA 4 への移行を検討しているユーザーにとっては、FSR 4.1 対応は判断材料のひとつになります。ただし、FSR 4.1 単体でアップグレードを判断するには、独立したベンチマークデータが必要です。

ベンチに出るまで言えないこと / 編集部の見解

ベンチを回してみると話は変わってきます——FSR 4 の改善が実際のゲームタイトルでどの程度の FPS 差として現れるかは、サードパーティの検証が出るまで断言できません。

現時点で言えることを整理します。

判断材料として使えるもの: – AMD 公式の定性的な改善説明(精度・品質の向上) – FSR 4 対応タイトルでの動作確認 – ソニー PSSR との共有アルゴリズムという技術的根拠

判断材料として使えないもの: – 「◯%向上」といった公式定量データ(現時点で未公表) – 実ゲームでの FPS 比較(独立ベンチが必要) – RDNA 3 への拡張予定(未発表)

理論値はともかく、実際のゲームで出る FPS は別の話です。アップスケーリング品質の改善は「同じ設定でのFPS向上」と「同じFPS での画質向上」のどちらとして現れるかもタイトルによって異なります。Cyberpunk 2077、Alan Wake 2 のようなレイトレーシングを多用するタイトルでは Ray Regeneration の改善が効果的に出る可能性がありますが、実測なしに断定はしません。

よくある質問

Q1. RX 9070 / 9070 XT で FSR 4.1 はすぐ使えますか?

A. ドライバーをアップデートすれば利用可能です。ただし、FSR 4.1 対応タイトルでのみ機能します。全ゲームに自動適用されるわけではなく、ゲーム側が FSR 4 / 4.1 に対応している必要があります。

Q2. RX 7900 XTX など RDNA 3 では FSR 4.1 は使えませんか?

A. 現時点では使えません。FSR 4.x は RDNA 4 専用です。RX 7000 シリーズでは FSR 3.x を引き続き利用できます。RDNA 3 への FSR 4 拡張については AMD から正式な発表はありません。

Q3. NVIDIA GPU ではどうですか?

A. FSR 4.1 は AMD GPU 専用です。NVIDIA ユーザーは DLSS 4(RTX 40 / 50 シリーズ)または FSR 3.x(GPU 問わず利用可)が選択肢になります。

まとめ

  • FSR 4.1 は 2026年3月19日リリース。対応は RX 9000 シリーズ(RDNA 4)のみ
  • ML アップスケーリング精度・Ray Regeneration・Ultra Performance モードの3点が改善。ソニー 更新版 PSSR と共有アルゴリズムを採用
  • RX 7000・6000 シリーズは引き続き FSR 3.x を利用。RDNA 3 への FSR 4 拡張は未発表

数字が出てからが本番です。続報を待ちます。

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