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2024年10月2日

Osmo Pocket 4シリーズは、スマホの手軽さと本格カメラの映像表現の”ちょうど間”を狙ったポケットジンバルカメラです。
なぜこの結論に至るのか、順に解説します。
DJIのポケットジンバルカメラ「Osmo Pocket 4」シリーズが注目されている理由は、単なるスペック競争ではありません。
スマホの動画は確かにきれいです。しかし、実際に撮影していると、こんな失敗はよくあります。
一方で、ミラーレスカメラや本格ジンバルは高画質ですが、重く、高価で、毎日持ち出すにはハードルがあります。Osmo Pocket 4シリーズは、この中間にある「高画質だけど気軽に使える動画カメラ」というニーズにピンポイントで応える製品です。
その勢いは販売データにも表れています。BCN+Rが公開した調査によると、Osmo Pocket 4は発売からわずか9日間で2026年4月のビデオカメラ市場シェア21.5%を獲得し、この結果DJI全体のシェアも過去最高の72.5%まで押し上げました。単純計算では、この時期に日本で売れたビデオカメラのおよそ5台に1台がOsmo Pocket 4だったことになります。
DJIが強い理由は、単に「小さくて高性能」だからではありません。ユーザーが動画撮影で実際に困るポイントを、先回りして潰しているからです。

Osmo Pocket 4は、前モデルPocket 3の完成度を引き継ぎつつ、撮影体験に直結する部分を強化しています。
| 項目 | Osmo Pocket 4 | Osmo Pocket 3 |
|---|---|---|
| センサー | 1インチCMOS(新設計) | 1インチCMOS |
| スローモーション | 4K/240fps、最大8倍 | 4K/120fps、最大4倍 |
| ダイナミックレンジ | 14ストップ | 約12.8ストップ |
| ズーム | 4Kで2倍ロスレス、1080pで4倍ロスレス | 4K時はデジタルズーム中心 |
| 内蔵ストレージ | 107GB | なし |
| 追尾機能 | ActiveTrack 7.0 | ActiveTrack 6.0 |
| カラープロファイル | 10-bit D-Log(Pocket 3のD-Log Mから進化) | 10-bit D-Log M |
| 音声 | 最大4ch出力、Mic 2/3/Miniに対応 | 最大3ch出力、Mic 2対応 |
| 国内価格目安 | 約7万7,660円〜(エッセンシャル)/7万9,200円〜(スタンダード) | 流通価格により変動 |
※価格は販売時期やコンボ構成によって変動します。上記は目安として見てください。
表を見て、まず気になるのは「今持っているPocket 3から買い替える価値があるか」でしょう。結論から言うと、これは何を重視するかで変わります。
買い替えを検討してよいのは、次のような人です。
一方、Pocket 3の画質や使い勝手に大きな不満がなく、4K/120fpsで十分、microSD運用にも困っていないなら、無理に買い替える必要はありません。
ただし、Vlogや旅行動画を日常的に撮る人ほど、Pocket 4の内蔵ストレージとロスレスズームは体感しやすい進化になるはずです。
Osmo Pocket 4の進化は、単なるカタログスペックではありません。Vlogや旅行、SNS動画で効く実用的な改善が多いのが特徴です。
Osmo Pocket 4は4K/240fpsに対応し、最大8倍のスローモーション撮影が可能です。ペットや子どもの動き、水しぶき、スポーツ、街中の人流、料理の湯気など、日常の一瞬をより印象的に切り取れます。
Pocket 3の4K/120fpsでも十分高性能でしたが、4K/240fpsになると「ただ遅くする」だけでなく、映像に余韻を作りやすくなります。SNS動画で日常のワンシーンを作品っぽく見せたい人には、かなり分かりやすい進化です。
旅行中や街歩きでは、「もう少し寄りたい」と思う場面が意外と多くあります。人物の表情、料理、看板、遠くの建物、風景の一部。スマホや小型カメラでは、ズームすると映像が甘くなりがちです。
Osmo Pocket 4は、4Kで2倍、1080pで4倍のロスレスズームに対応しているため、画質劣化を抑えながら被写体を切り取りやすくなっています。撮影中でもズームボタン一つで切り替えられる手軽さも含めて、Vlogカメラとしてかなり実用的です。
Pocket 4の地味だけど大きな進化が、107GBの内蔵ストレージです。カメラを持って出かけたのに、撮ろうとした瞬間にmicroSDカードが入っていないことに気づく。これは動画撮影ではかなり痛い失敗です。
Pocket 4なら、本体だけでも撮影を始められます。もちろん長時間撮影ではmicroSDカードも必要ですが、「最低限、今日の撮影は成立する」という安心感は大きいです。初心者ほどありがたく、上級者ほど保険として助かる機能です。
追尾機能はActiveTrack 7.0へ進化し、動く被写体や複雑な構図でも追従しやすくなりました。子ども、ペット、友人との旅行、自撮りVlog、イベント撮影では、カメラが被写体を見失いにくいことが大きな安心材料になります。
また、新開発の5Dジョイスティックなどの物理操作系が追加されたことで、タッチ操作だけに頼らず、ズームや構図調整を直感的に行いやすくなっています。スマホは万能ですが、歩きながら片手で構図を調整し、被写体を追い続けるのは意外と難しい。Pocket 4は、この”撮影中の面倒”を専用機として解決しています。
Osmo Pocket 4Pは、Pocketシリーズ初のデュアルレンズ構成を採用した上位モデルです。標準モデルのPocket 4が「日常Vlogを手軽に高画質で残すカメラ」だとすれば、4Pは「光と色を作品として扱うクリエイター向けカメラ」と言えます。
| 項目 | Osmo Pocket 4 | Osmo Pocket 4P |
|---|---|---|
| カメラ構成 | シングルレンズ | デュアルレンズ |
| レンズ | 広角20mm F2.0 | 広角20mm F2.0 + 中望遠60mm F1.8 |
| 最大ダイナミックレンジ | 14ストップ | 公称17ストップ(広角側、LOFIC技術) |
| ズーム性能 | 4Kで2倍ロスレス | 3倍光学 / 6倍ロスレス / 最大12倍デジタル |
| カラープロファイル | 10-bit D-Log | 10-bit D-Log(望遠・ズーム時)/D-Log 2(広角1倍のみ、17ストップ) |
| 内蔵ストレージ | 107GB | 103GB |
| 追尾機能 | ActiveTrack 7.0 | ActiveTrack 8.0(グループ追尾 最大8人) |
| 重量 | 約190g | 約230g |
| 国内価格目安 | 7万9,200円前後〜 | 9万9,000円前後〜 |
価格差はありますが、4Pは単に「高いPocket 4」ではありません。60mm中望遠レンズと、広角側センサーに採用されたLOFIC技術によって、撮れる映像の方向性そのものが変わるモデルです。なお内蔵ストレージは4Pの方がわずかに少ない(103GB)点は、意外と見落とされがちなので購入前に押さえておきたいところです。
追尾機能にも、4P特有の課題に対応した進化があります。ActiveTrack 8.0では、広角から望遠へレンズが切り替わる瞬間や、ズームした状態でも被写体を見失いにくくなりました。デジカメ Watchの実機レビューでは、望遠側で6倍までズームした状態でも「意外と簡単に追尾できた」と報告されており(出典[5])、画角が狭くなるほど難しくなるはずの被写体捕捉が、複数のカメラをまたいでも破綻しにくい設計になっているようです。さらに、複数人の動きにも対応しており、最大8人までをグループとして選択・追尾できるようになりました。従来は被写体を1人に絞る必要があったため、家族旅行や友人同士のVlogでは活用しにくい場面がありましたが、これによってグループでの撮影にも対応しやすくなっています(出典[6])。シングルレンズだったPocket 4の7.0にはなかった、デュアルレンズならではの追尾課題に応える進化と言えます。
冒頭で挙げた「逆光で人物の顔が黒く潰れる」「夜景でネオンや看板が白飛びする」という悩み。Osmo Pocket 4Pの進化を語るうえで避けて通れないのが、まさにこの悩みに直接効く技術、LOFICです。
LOFICは、強い光が入ったときにハイライト情報を保持しやすくするセンサー技術です。従来のセンサーは、光を受け止める画素、いわばバケツが強い光ですぐに満タンになり、あふれた分の情報が失われて白飛びしがちでした。LOFICは、画素の横に「あふれた光を受け止めるサブのバケツ」を用意するような仕組みにより、極端に強い光が入った場合でもハイライト情報を保持しやすくし、白飛びを抑えやすくします。広角カメラには新開発の5000万画素LOFICセンサーが搭載されており、センサー自体がPocket 4から大きく刷新されている点も見逃せません(出典[1])。
4Pは広角側で公称17ストップのダイナミックレンジをうたっており、ポケットサイズのカメラとしては非常に野心的なスペックです(望遠60mm側は同等のLOFIC性能を持たないとされる点は後述します)。
正直なところ、「17ストップ」という数字はカタログスペックの盛りすぎではと疑いたくなる方も多いはずです。実際、海外メディアのDPReviewやEngadgetも発表当初、この数字を「かなり割り引いて受け止めるべき」と慎重な姿勢を示していました。この点については、その後実機による検証が公開されています。写真専門メディアPetaPixelは、Pocket 4Pとフルサイズ機Panasonic Lumix S1 II(Dynamic Range Boostモード使用)を極端な高コントラストのテストシーンで撮り比べ、センサーサイズが8倍近く違うにもかかわらず両者が近い結果になったと報告しています(出典[1])。DJIによれば、この性能を引き出すためにISP(画像処理)パイプラインのカスタマイズ、具体的にはデュアル信号経路の統合や信号融合アルゴリズム、画素レベルのキャリブレーションなどが必要だったとのことです。国内でもPRONEWSが実機を使い、狙って撮ったわけではない梅雨時の曇天の車窓で、ハイライトへ向かうグラデーションが前機種のPocket 3とは別次元だったと報告しており(出典[2])、17ストップは単なる数字上のスペックではなく、実写でも裏付けが取れつつある性能だと言えそうです。
さらに踏み込んだ検証もあります。カラーサイエンスを専門とするGamut.ioは、露出とISOを変えながらカラーチャートを撮影してセンサー特性を実測でプロファイリングし、ハイライトがクリップするまでミドルグレーから約10ストップの余裕があったと報告しています(出典[3])。これはSony FX3やPanasonic Lumix S1 IIなど、一般的にミドルグレーから4〜5ストップ程度とされるカメラの倍以上にあたり、Gamut.ioが実測した中でこれに匹敵するハイライト保持力を持つのは映画用カメラARRI ALEXA Mini LFだけだったといいます。感覚的な印象評価だけでなく、実測データでも17ストップという数字が裏付けられつつあると言えそうです。
ここで重要なのは、LOFICは夜景専用の技術ではないという点です。DJI自身も逆光ポートレートや夕景での効果に言及していますが、むしろ昼間の過酷な光環境でこそ真価を発揮しやすいというのが本記事の見立てです。
LOFICの価値は、夜を明るく撮ることだけではありません。明るすぎる部分と暗い部分が同じ画面にあるときに、どれだけ階調を破綻させずに残せるかが本質です。以下のうち「逆光ポートレート」についてはDJI自身の説明という裏付けがありますが、「木漏れ日」「室内外混在」の2つは、現時点で確認できた実写検証がまだなく、17ストップという公称スペックから合理的に期待できる効果として紹介します。実際の見え方は撮影条件によって変わる点はご理解ください。
逆光ポートレートでは、背景の空と人物の顔に大きな明暗差が出ます。従来のカメラでは、空に露出を合わせると顔が黒く潰れ、顔に露出を合わせると空や雲が真っ白に飛びがちでした。
この点についてはDJI自身がPetaPixelの取材に対し、Log収録に限らず通常のカラープロファイルで撮影した場合でも、逆光シーンでの露出バランスが改善されると説明しています(出典[1])。ISPがLOFICセンサーの広いラティチュードを内部的にトーンマッピングへ活用しているためだといい、撮って出しでもある程度効果が及ぶ設計のようです。青空のグラデーションや雲の立体感を残しながら、日陰になった人物の顔や肌の質感も自然に描写しやすくなると期待できます。海辺のVlog、夕日を背にしたポートレート、観光地での記念撮影では、この差が出やすいシーンです。
森の木漏れ日、白い服に当たる直射日光、真夏の強い日差しは、カメラにとって非常に難しいシーンです。明るい部分だけが白く抜けてしまい、葉の質感や服のシワが失われることがあります。
LOFICはハイライト側の情報を保持しやすい技術なので、光が当たった葉の表面や白い衣服なども、階調を残して描写しやすくなると考えられます。映像にありがちな「安っぽい白飛び感」を抑えたい人には、注目しておきたいポイントです。
カフェの店内、車内、ホテルの部屋など、少し暗い室内から明るい屋外を同じフレームに入れると、窓の外が真っ白になりがちです。
LOFICは屋内外の大きな明暗差を受け止めやすい設計のため、室内の落ち着いた雰囲気と、窓の外の街並みや空の表情を同時に残しやすくなります。車窓Vlog、カフェ撮影、ホテルレビュー、旅先のルームツアーなどで効いてくる性能です。
もちろん、夜景でもLOFICは強力です。ただし、その価値は「夜を昼のように明るくすること」ではなく、ネオンなどの強い光源と暗い背景を、同時に破綻しにくく残すことにあります。
従来の小型カメラでは、暗部を持ち上げるとネオンが白飛びし、ネオンを残そうとすると周囲が暗く沈みがちでした。LOFICを搭載した4Pでは、ネオンの文字、街灯の輪郭、暗い路地の奥行きなどを、より自然に残しやすくなります。夜の光を、夜らしい階調のまま残すための技術、と捉えると分かりやすいでしょう。
LOFICだけでは、4Pの強みは完結しません。重要なのは、LOFICが受け止めた広い明暗情報を、D-Log 2で編集耐性のある形に記録できることです。
| 技術 | 役割 | 効果 |
|---|---|---|
| LOFIC | センサー側で強い光を受け止める | 白飛びを抑え、明暗差の大きいシーンに強くなる |
| D-Log 2 | 広い階調を編集しやすい形で記録する | カラーグレーディング時に映像が破綻しにくい |
| LOFIC × D-Log 2 | 光の取得と記録を両方強化する | 逆光・夕景・夜景で自然な階調表現を狙える |
センサーがどれだけ多くの明暗情報を拾っても、記録するプロファイルが階調を狭めてしまえば、編集で使える情報は減ってしまいます。D-Log 2は、コントラストや彩度をあえて抑えたLog収録により、ハイライトからシャドウまでの階調情報を編集用の素材として残す仕組みです。
つまり、LOFICが光を拾い、D-Log 2がその光を編集しやすい形で包み込むイメージです。この組み合わせによって、撮影後に空の色を濃くしたり、暗部を持ち上げたりしても、従来の小型カメラにありがちな破綻が起きにくくなることが期待できます。具体的には、以下のような問題を抑えやすくなります。
標準モデルのPocket 4が「手軽に失敗しにくいカメラ」だとすれば、4Pは「撮影後の編集まで見据えたカメラ」です。
D-Log 2は強力ですが、誰にでも必要な機能ではありません。D-Log 2で撮影した映像は、撮って出しではコントラストや彩度が低く、グレーがかった眠い印象に見えます。これは失敗ではなく、編集を前提とした状態です。
DaVinci Resolve、Adobe Premiere Pro、Final Cut Proなどでカラーグレーディングするワークフローが必要になります。撮ってすぐSNSに上げたい人には、通常のカラーモードのほうが扱いやすいでしょう。
もう一点、実用面で押さえておきたいのが感度です。DJIはPetaPixelに対し、D-Log 2で最も広いダイナミックレンジを引き出すにはISO 800〜1600での撮影が望ましいと説明しています(出典[1])。日中の明るいシーンでこの感度を保とうとすると、シャッタースピードだけでは光量を落としきれないことがあるため、実質的にNDフィルターの使用とセットで考えておくと安心です。真夏の屋外でD-Log 2の恩恵をしっかり引き出したい場合は、NDフィルターの携行も検討してください。
また、LOFICとD-Log 2の恩恵は主に広角レンズ側で活きる構成とされています。60mm中望遠側はセンサーサイズが異なり(1/1.28インチ相当)、対応プロファイルも異なるため、広角側と同じ感覚でD-Log 2や暗所性能を使えるとは限りません。
さらに、PRONEWSの実機レビューでは、D-Log 2(10bit)に設定している間は広角と望遠のレンズ切り替え(ズーム)ができない点が実際に指摘されています(出典[2])。撮影中に画角を変えたい場合は、一度録画を止める必要があるということです。逆光ポートレートを望遠で撮りたい、かつD-Log 2で編集耐性も欲しい、という使い方をする人は、この制約を購入前に把握しておいたほうがよいでしょう。
4Pの魅力はLOFICだけではありません。新搭載の60mm中望遠レンズも、標準モデルにはない大きな魅力です。
広角20mmはVlogや街歩きに向いていますが、背景まで広く写るため、どうしても記録映像っぽくなりがちです。一方、60mm中望遠は背景を整理しやすく、被写体を印象的に見せられます。
| 撮影シーン | 20mm広角 | 60mm中望遠 |
|---|---|---|
| 自撮りVlog | 向いている | 不向き |
| 街歩き | 広く記録できる | 一部を印象的に切り取れる |
| ポートレート | 背景まで広く写る | 背景を整理しやすい |
| 料理撮影 | 店内の雰囲気も写る | 料理を主役にしやすい |
| 旅先の風景 | 全体を残せる | ディテールを作品的に切り取れる |
旅行先の人物撮影、カフェでの料理、街角の建築ディテールなど、広角だけでは表現しにくいシーンで中望遠が効いてきます。

競合機との違いを考えると、4Pの方向性がより分かりやすくなります。Insta360 Luna Ultraはトリプルチップ構成によるAI処理を強みの一つとして打ち出すモデルで、Osmo Pocket 4PはLOFICによるセンサー段階の階調保持を軸にしたモデルです。
ただし、これは「AI補正頼みか、それとも本物の技術か」という単純な優劣の話ではありません。Luna Ultra自体も公称14ストップというダイナミックレンジのスペックを持っており、純粋にソフトウェア処理だけで明暗差に対応しているわけではないからです。あくまで「どこに設計上の重心を置いているか」という違いとして捉えるのが実態に近いでしょう。
| 項目 | Insta360 Luna Ultra | DJI Osmo Pocket 4P |
|---|---|---|
| 公称ダイナミックレンジ | 14ストップ | 17ストップ(広角側) |
| 処理面での強み | AIチップによる補正・演出 | センサー段階での階調保持(LOFIC) |
| モニター | 着脱式スクリーン | 本体一体型+別売リモコン |
| 強いシーン | 夜道、自撮り、暗い室内 | 逆光、夕景、ネオン、車窓、窓際 |
| 内蔵ストレージ | 47GB | 103GB |
| 国内価格目安 | 11万9,800円〜 | 9万9,000円〜 |
数値スペックだけを見ればダイナミックレンジ・価格・内蔵ストレージのいずれもPocket 4Pが優位ですが、着脱式モニターやAI演出機能などLuna Ultra側にしかない使い勝手も存在するため、「何を撮りたいか」で評価が変わる部分です。
実際に両方を所有して比較しているフォトグラファーのAki氏は、記事のタイトルどおり「個人的にはLuna Ultraのほうが好き」と明言しています(「優れている」ではなく「好き」だと断ったうえでの評価です)。理由として、レンズ切り替え時に色味や描写が不自然に変わること、2倍ズームへワンタッチでアクセスできないこと、低照度モード中はズームできないことなど、ズーム周りの使い勝手を具体的に挙げています。D-Log2が広角専用で望遠では使えない点、スローモーションが専用モードへの切り替えを要し音声も入らない点も不満として指摘しており、総じて、オズポケシリーズの魅力だった手軽さが失われ、使いこなすのに前提知識が要る上級者向けのカメラになってしまったという趣旨の評価を述べています(出典[4])。本記事が紹介してきたLOFICやD-Log2の強みは、こうした操作面の制約とセットで理解しておくとよさそうです。
現在のスマートフォンも逆光にはかなり強くなっています。多くのスマホは、明るさの異なる複数のフレームを瞬時に撮影し、それらを合成するマルチフレームHDRで白飛びや黒潰れを抑えています。これは非常に優秀な技術です。
ただし、動きのある被写体や歩き撮りでは、合成由来の不自然な輪郭、ゴースト、過剰なHDR感が出ることがあります。
| 項目 | スマホのマルチフレームHDR | Osmo Pocket 4PのLOFIC |
|---|---|---|
| 明暗差への対応 | 複数フレームを合成して補正 | センサー段階で広い明暗差を受け止める |
| 動く被写体 | ゴーストや不自然な輪郭が出る場合がある | 合成由来の破綻が起きにくい |
| 映像の質感 | HDR感が強く出ることがある | 自然で階調豊かなトーンを狙いやすい |
| 得意なシーン | 静止気味の風景、日常スナップ | Vlog、歩き撮り、逆光、夕景、車窓 |
スマホHDRは「複数枚を合成して見やすくする」技術、4PのLOFICは「センサー段階で光を受け止める」技術です。この違いにより、カメラを振りながら撮るVlogのような動きのある撮影でも、より自然な階調表現を狙いやすくなります。
選び方は、価格ではなく「何を撮りたいか」で決めるのが正解です。
| ユーザータイプ | おすすめモデル |
|---|---|
| 旅行や街歩きを手軽に撮りたい/初めてジンバルカメラを買う | Osmo Pocket 4 |
| VlogやSNS動画を日常的に撮る | Osmo Pocket 4 |
| Pocket 3から買い替えたい(ズーム・スロー・内蔵ストレージ重視) | Osmo Pocket 4 |
| 料理やポートレートを印象的に撮りたい | Osmo Pocket 4P |
| 夜景・夕景をシネマティックに、または昼間の逆光や窓際撮影が多い | Osmo Pocket 4P |
| 本格的に色編集したい | Osmo Pocket 4P |
多くのユーザーにとっては、標準モデルのOsmo Pocket 4で十分満足できるはずです。軽量で手に取りやすく、4K/240fps、107GB内蔵ストレージ、ロスレスズーム、ActiveTrack 7.0まで一通り揃っています。
4Pを選ぶ価値があるのは、逆光ポートレートや夜景のネオンを白飛びさせずに残したい人、料理や人物を中望遠で印象的に撮りたい人、撮影後にカラーグレーディングしたい人です。ただし、4Pはデュアルレンズ化により本体がやや大きく重くなっており(約230g、Pocket 4比+約40g)、ズーム操作も1倍と3倍の光学切り替えが中心になるため、標準モデルの2倍ズーム感覚とは少し異なります。また60mm中望遠側は広角側ほど暗所やD-Log 2性能が強くない点も、購入前に把握しておきたいポイントです。
最後に、実際に購入を検討する際に確認しておきたい点を整理します。
まず、可能であれば店頭やレンタルで実機を触り、5Dジョイスティックの操作感や本体の重量バランスを手に取って確認することをおすすめします。特に4Pは通常モデルより重く、長時間の手持ち撮影では体感差が出ることがあります。
次に、D-Log 2やLog撮影を活用する予定があるなら、自分が使っている編集ソフトでのカラーグレーディング作業に慣れているかも判断材料になります。代表的な編集ソフトには、DaVinci Resolve、Adobe Premiere Pro、Final Cut Proなどがあります。撮って出しで満足したい人にとって、Log撮影はむしろ手間が増える機能です。
また、DJI Mic 2/3/Miniなど既存のオーディオ機材を持っている場合は、そのまま流用できるためエコシステムの継続性も確認しておくとよいでしょう。
最後に、コンボ構成によって付属品や価格が変動するため、購入直前には販売店やDJI公式サイトで最新の価格・在庫・付属品構成を確認しておくと安心です。
Osmo Pocket 4は、Pocket 3から4K/240fps、107GB内蔵ストレージ、ロスレスズーム、ActiveTrack 7.0などを強化した、非常に実用性の高いポケットジンバルカメラです。日常Vlog、旅行、SNS動画、家族やペットの撮影では、スマホより安定して、ミラーレスより気軽に使えるバランスが魅力です。
一方、Osmo Pocket 4Pは、デュアルレンズ、60mm中望遠、公称17ストップのダイナミックレンジ、LOFIC、D-Log 2、ActiveTrack 8.0により、より本格的な映像表現を狙える上位モデルです。
そして4Pを選ぶ最大の理由は、LOFICが単に「夜に強い」からではなく、光が難しいシーンを自然な階調で残しやすいと期待できる点にあります。逆光で空と人物の顔を同時に残しやすい。強い日差しの下でも階調を保ちやすい。室内から屋外を撮っても破綻しにくい。ネオンを白飛びさせずに夜景を残しやすい。さらにD-Log 2との組み合わせにより、編集時に映像を作り込みやすい。ここにこそ、上位モデルとしての価値があります。
手軽さ・軽さ・コスパを重視するなら Osmo Pocket 4。逆光・夜景・夕景・ポートレート・カラーグレーディングにこだわりたいなら Osmo Pocket 4P。Pocket 3ユーザーで4Kスローモーションやズーム、内蔵ストレージに魅力を感じるなら、Pocket 4への買い替え価値は十分にあります。
Osmo Pocket 4が”失敗しにくい日常カメラ”だとすれば、Osmo Pocket 4Pは”光を作品として残すカメラ”です。自分がどんなシーンを、どんな質感で残したいのか。そこを基準に選べば、後悔のない1台にたどり着けるはずです。
※本記事の実写検証に関する記述は、上記の一次情報に基づいています。特に記載のないスペックはDJI公式発表時点のものであり、価格・在庫状況は変動する場合があります。購入前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。