AMDのコンピューティング&グラフィックス部門上級副社長兼ゼネラルマネージャーのジャック・フイン氏は、待望の新型CPU「Ryzen 7 9800X3D」を正式発表しました。価格は479ドル(約70,000円)で、11月7日の発売が決定しています。
スペックと技術革新
Ryzen 7 9800X3Dは、前モデルの7800X3Dから基準クロック周波数を500MHz引き上げ、ベースクロック4.7GHz、ブーストクロック5.2GHzを実現しました。8コアのZen5アーキテクチャを採用し、ゲーミングワークロード向けに最適化された64MBの3D V-Cacheを搭載しています。
特筆すべきは、これがX3Dシリーズで初めてオーバークロックに対応したモデルとなる点です。また、第2世代X3D技術では、前世代と比較してCCD(Core Complex Die)とキャッシュの配置順序が逆転し、さらなる性能向上を実現しています。
ベンチマーク性能
AMDの公式ベンチマークによると、前モデル比で平均8%のゲーミング性能向上を達成。テスト環境はX670 AORUS Masterマザーボード、DDR5-6000メモリ(2x16GB)、RTX 4090を使用しています。
ゲームタイトルによる性能差は以下の通りです:
- Hogwarts Legacy:最大26%向上
- Cyberpunk 2077:1%向上
インテルとの比較
新型Intel Core Ultra 9 285Kとの比較では、40種類以上のゲームテストで平均20%の性能優位性を示しました。特にCyberpunk 2077では最大59%の性能差を記録し、ゲーミングCPUとしての優位性を際立たせています。
互換性と仕様
- TDP:120W
- 対応ソケット:AM5
- 既存AM5マザーボードとの完全な互換性を確保
まとめ
Ryzen 7 9800X3Dは、AMDのゲーミングCPU技術の集大成として、高いクロック周波数と革新的な3D V-Cache技術を組み合わせることで、競合製品を大きく引き離す性能を実現しています。11月7日の発売を控え、ゲーミングPC市場に新たな選択肢を提供することが期待されます。