AMDが次世代のポータブルゲーミングPC向けAPU（Accelerated Processing Unit）、Ryzen Z2シリーズを発表しました。この新シリーズは、ハイエンドのZ2 Extreme（Z2E）、標準モデルのZ2、そしてエントリーレベルのZ2Gの3つのSKU（Stock Keeping Unit）で構成されています。この情報は、中国のビリビリ動画で活動するGolden Pig Upgradeによって明らかにされました。
AMDは現在、ポータブルゲーミングPC市場で最も多くのOEMソリューションを提供しており、この新シリーズの登場によってその地位をさらに強化することが予想されます。しかし、IntelもLunar Lake「Core Ultra 200V」SoCで2025年初頭には追い上げてくる可能性があり、競争が激化しそうです。
では、各モデルの詳細を見ていきましょう。
AMD Ryzen Z2 Extreme：最高峰のパフォーマンスを目指して
Ryzen Z2 Extreme（Z2E）は、このシリーズの最上位モデルです。当初は16基のRDNA 3.5コンピュートユニットを搭載する「Z2 Extreme X」または「Z2E “X”」が計画されていましたが、この計画は取り下げられました。代わりに、標準のZ2Eが登場し、RDNA 3.5アーキテクチャベースの最大16基のGPUコアを搭載します。
CPUについては、Zen 5とZen 5Cコアを組み合わせた構成になるとされています。これは「Strix Point」と呼ばれるAPUであり、最新のアーキテクチャを採用することで、高いパフォーマンスと電力効率を両立させることが期待されます。
AMD Ryzen Z2：バランスの取れた性能を提供
標準モデルのRyzen Z2は、「Hawk Point」レイアウトを採用し、RDNA 3.5アーキテクチャベースの最大12基のGPUコアを搭載します。この仕様は、現行のRyzen Z1 Extremeと非常に似ており、RDNA 3グラフィックスアーキテクチャベースの12基のコンピュートユニットを搭載しています。
CPUに関しては、Zen 4コアアーキテクチャベースの最大8コアを搭載すると予想されています。このモデルは、高性能を求めるユーザーと、バッテリー持続時間のバランスを取りたいユーザーの両方にアピールするでしょう。
AMD Ryzen Z2G：エントリーレベルの選択肢
Ryzen Z2Gは、このシリーズのエントリーレベルオプションとして位置づけられています。このチップは「Rembrandt」と呼ばれるZen 3+コアアーキテクチャをベースにしています。興味深いことに、GPUコアの数は他のモデルと同じ12基ですが、古いRDNA 2グラフィックスアーキテクチャを採用しています。
AMDはこのRyzen Z2G APUを、予算重視の低電力ポータブルゲーミングPC向けに提供する予定です。これにより、より広い価格帯でAMDのソリューションが選択できるようになります。
まとめ：ポータブルゲーミングPCの未来を切り開くAMD
AMDの次世代Ryzen Z2シリーズは、ポータブルゲーミングPC市場に大きな影響を与えることが予想されます。最高峰のパフォーマンスを提供するZ2 Extremeから、エントリーレベルのZ2Gまで、幅広いニーズに対応する lineup が用意されています。
特に注目すべきは、最上位モデルに採用されるRDNA 3.5アーキテクチャです。これにより、モバイル環境でもデスクトップPCに迫る高いグラフィックス性能が実現する可能性があります。
ポータブルゲーミングPC市場は急速に成長しており、AMDはこの新シリーズで市場シェアをさらに拡大することを目指しています。しかし、IntelもこのZ2G:の分野に参入する準備を進めているため、今後の競争がますます激しくなることは間違いありません。
ゲーマーにとっては、この競争が技術革新とより良い製品につながることを期待できるでしょう。AMDのRyzen Z2シリーズの登場により、ポータブルゲーミングPCの性能と選択肢が大幅に向上することは間違いありません。
AMD Ryzen「Z」シリーズAPU一覧表
| CPU名 | AMD Ryzen Z2 Extreme | AMD Ryzen Z2 | AMD Ryzen Z2G | AMD Ryzen Z1 Extreme | AMD Ryzen Z1 |
|---|---|---|---|---|---|
| ファミリー | Strix | Hawk | Rembrandt | Phoenix | Phoenix |
| プロセスノード | TSMC 4nm | TSMC 4nm | TSMC 6nm | TSMC 4nm | TSMC 4nm |
| 最大コア/スレッド数 | TBD | 8/16 | 4/8 | 8/16 | 8/16 |
| 最大クロック | TBD | 5.1 GHz? | TBD | 5.1 GHz | 4.9 GHz |
| 最大キャッシュ | TBD | 16 MB | 8 MB | 16 MB | 16 MB |
| TDP範囲 | 9-30W | 9-30W | 9-30W | 9-30W | 9-30W |
| GPUアーキテクチャ | RDNA 3.5 | RDNA 3 | RDNA 2 | RDNA 3 | RDNA 3 |
| 最大GPUコア数 | 16 CUs | 12 CUs | 12 CUs | 12 CUs | 4 CUs |
| 発売時期 | 2025年上半期? | 2025年上半期? | 2025年上半期? | 2023年第3四半期 | 2023年第3四半期 |
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