2024年第3四半期の国内スマートフォン市場が好調な結果となった。IDC Japanの調査によると、従来型携帯電話とスマートフォンを合わせた総出荷台数は791万台で、前年同期比14.1%増を記録。特にスマートフォンは789万台(前年同期比14.4%増)と顕著な伸びを示した。
各社の戦略と実績
首位アップルは前年比7.6%増と市場平均を下回る成長。10-20代の支持は強いものの、3G停止に伴う中高年層のスマートフォン移行需要の取り込みには苦戦している。
2位シャープは11.9%増。AQUOS wishシリーズの好調が続くも、FCNTのarrowsとの競合が懸念材料となっている。
3位Googleは19.5%減。高評価の製品群を持つものの、高価格帯モデルの販売に苦戦。経済停滞下での高額製品販売の難しさが浮き彫りとなった。
FCNTの復帰で市場に変化
最も注目すべき動きは4位レノボの533.4%増。これはFCNTの市場復帰が大きく寄与している。モトローラブランドと合わせ、今後もTop5常連の地位を維持する見通し。
平均販売価格と今後の展望
5位サムスンは21.8%増と好調を維持。特筆すべきは高い平均販売価格で、アップルに次ぐ水準を保持している。
市場の課題と展望
IDC Japanのアナリスト井辺将史氏は、在庫調整の終了とFCNTの参入による市場活性化を評価しつつ、Android系の価格競争激化と国内ベンダーの収益性悪化を懸念している。
まとめ
2024年第3四半期のスマートフォン市場は大きな転換点を迎えている。FCNTの復帰による競争激化は、消費者には選択肢の増加というメリットをもたらす一方、メーカー各社には新たな経営課題を突きつけることになりそうだ。今後の各社の戦略と市場動向に注目が集まる。