Intel Core 7 250H:エントリーレベルゲーミングノートPC向け新CPU登場
2024年10月9日

AMDが「統合GPU(iGPU)でRTX 4070 Laptopを超えた」と主張するRadeon 8060S。2026年4月現在、この主張は本当なのでしょうか。実際のベンチマークデータと日本市場での入手性を踏まえながら、丁寧に検証していきます。
統合GPU(iGPU)とは、CPUチップの中に組み込まれたグラフィックス機能のことです。専用のグラフィックボード(dGPU)と異なり、別途購入する必要がなく、薄型・軽量ノートPCでも高いグラフィック性能を発揮できる点が特長です。
Radeon 8060Sは、AMDの「Ryzen AI Max」シリーズ(開発コード名:Strix Halo)に搭載された統合GPUです。40基のコンピュートユニット(RDNA 3.5アーキテクチャ)を持ち、従来の統合GPUとは一線を画する設計になっています。
| 項目 | Radeon 8060S | RTX 4070 Laptop GPU |
|---|---|---|
| GPU種別 | 統合GPU(iGPU) | 専用GPU(dGPU) |
| アーキテクチャ | RDNA 3.5 | Ada Lovelace |
| コンピュートユニット/コア数 | 40 CU | 36 SM |
| メモリ方式 | 共有LPDDR5X | GDDR6 8GB |
| TDP(GPU部分) | 55W(デフォルト)/ APU全体45〜125W | 35〜115W(構成による) |
| 製造プロセス | TSMC 4nm | TSMC 5nm |
2026年4月時点で公開されているベンチマーク結果をまとめます。
Guru3Dをはじめとする複数のレビューサイトが実施したテストでは、Ryzen AI Max+ 395搭載機のRadeon 8060Sが、RTX 4070 Laptop GPUを全17タイトルで上回り、平均23.2%の優位性を示しました。
特に差が大きいゲームタイトルは以下の通りです。
一方、3DMark Time Spyのような合成ベンチマークでは差が縮まり、Radeon 8060Sが約10,200点に対してRTX 4070 Laptopが約10,300点と、ほぼ同等の結果となっています。
注目すべき点は電力効率です。RTX 4070 Laptopは構成によっては115Wまで消費電力が跳ね上がりますが、Radeon 8060Sはデフォルト55Wという統合GPUの特性上、RTX 4070 Laptop(115W構成)と比較して約52%少ない消費電力で同等以上の性能を発揮し、バッテリー持続時間の面で大きな優位があります。
製造プロセスも4nm(Radeon 8060S)対5nm(RTX 4070)とRadeon 8060S側が進んでいます。
2026年4月現在、日本市場ではASUS ROG Flow Z13やASUS TUF Gaming A14(2026年モデル)などがRadeon 8060Sを搭載した主要モデルとして流通しています。
米国での参考価格は$1,250〜$1,499(約18.5〜22万円)からスタートしており、日本市場では円安の影響で割高感があります。
定番のRTX 4070 Laptop GPU搭載モデルは、日本市場でも豊富に流通しています。
同価格帯で比較すると、Radeon 8060S搭載機はRyzen AI Max+ APUの価格が高く、同じ20万円台ならRTX 4070 Laptop搭載ゲーミングノートのほうが入手しやすい状況です。ただし、Radeon 8060S搭載機はゲーミング性能に加え、ローカルAI処理(45〜50 TOPS)やバッテリー持ちが優れており、単純なゲーム性能以外の用途でも活躍します。
ゲームパフォーマンスだけを追うなら、RTX 4070 Laptop搭載機のほうが選択肢が広く、コストパフォーマンスが良好です。NVIDIAのDLSS 3(フレーム生成技術)にも対応しており、対応タイトルではさらなる性能向上が見込めます。
DLSS(Deep Learning Super Sampling)とは、NVIDIAのAI技術を使って低解像度の映像を高解像度に拡大・補完する技術で、フレームレートを大幅に向上させます。
薄型のビジネス用途兼ゲーミングPCを求めるなら、Radeon 8060S搭載のASUS ROG Flow Z13やTUF A14が最有力候補です。ゲーム性能がRTX 4070 Laptopと同等以上でありながら、バッテリー持ちも確保されています。
Ryzen AI Max搭載機はローカルLLMの動作など、AI処理でも優れた能力を発揮します。クリエイティブ用途やAI活用を視野に入れるなら、Radeon 8060S搭載機が一歩リードしています。
2026年のPC市場は値上がりの圧力が高まっています。IDCの調査では2026年後半にかけてPCの平均価格が最大8%上昇すると予測されており(Acer・ASUS・Dell・HPなど一部ベンダーは特定モデルで15〜20%の値上げを通知済み)、DRAM・SSDの価格高騰が主な要因です。AcerはすでにJapan向けに2026年2月20日からの値上げを実施済みです。
この状況を踏まえると:
結論として、純粋なゲーミング用途ならRTX 4070 Laptop搭載機の値こなれ品を選び、薄型・長時間駆動・AIローカル処理も視野に入れるならRadeon 8060S搭載のRyzen AI Max機を選ぶのが最適と言えます。
| 判断軸 | 推薦モデル |
|---|---|
| ゲーミング性能/コスパ | RTX 4070 Laptop搭載機 |
| 薄型・バッテリー持ち | Radeon 8060S(Ryzen AI Max)搭載機 |
| AI処理・クリエイティブ | Radeon 8060S(Ryzen AI Max)搭載機 |
| 選択肢の豊富さ | RTX 4070 Laptop搭載機 |
Radeon 8060Sは、統合GPUとして画期的な性能を持ちながら、搭載機の価格帯が高めです。RTX 4070 Laptop GPUは成熟した製品で選択肢が豊富。どちらを選ぶかは、用途と予算のバランスで決まります。