OpenAIが革新的AI検索「ChatGPT search」を発表:従来の検索体験を一新へ
2024年11月1日
この流れ、見過ごせませんよね。
携帯ゲーミングPC(ハンドヘルド)の価格が、いつの間にか中級ゲーミングノートPCと同じ帯に差し掛かっています。MSI Claw 8 EX AI+(型番 CG3EM)が$1,699〜$1,799(小売差・単純換算で約27〜29万円)で登場したというニュース自体は既報ですが、「なぜここまで高くなったのか」という問いには、まだちゃんとした答えが出ていません。
この記事でわかること
正直に言います。ハンドヘルドが高くなった原因は「チップの性能が上がったから」だけではありません。
2025年後半から、業界では「RAMpocalypse(ラムポカリプス)」と呼ばれる現象が進行しています。AI向けデータセンターがHBMや高帯域幅メモリを大量に買い占めた結果、民生向けDRAMとNANDフラッシュの供給が逼迫し、スポット価格が急騰しました。各種報道によれば、2025年後半から2026年前半にかけてDRAMの市中価格は数倍規模で上昇し、NANDも同様の高騰が続いているとされています。
これはPC全体に波及しています。メモリもSSDもBOM(部品原価)の主要要素ですから、価格上昇は全方位に跳ねます。
Claw 8 EX AI+の仕様を見ると、32GB LPDDR5X + 1TB PCIe Gen4 M.2という構成です。どちらも現在最も価格が上がっているカテゴリそのものです。Arc G3 Extremeのベンチマーク詳細はこちらの記事にまとめてあるので、スペックと実性能が気になる方はそちらをご覧ください。

図:携帯ゲーミングPCの価格エスカレーション。MSI Claw 8 AI+($899 / 約14万円)からClaw 8 EX AI+($1,699〜$1,799 / 約27〜29万円)、Strix Halo系ハンドヘルド($2,000超 / 約32万円超)、そして参考帯として中級ゲーミングPCの価格レンジを並べて可視化したものです。いずれも2026年6月時点のドル建てを1ドル≈160円で単純換算したもので、国内小売価格ではありません。
ここが本質だと思っています。
前モデルのMSI Claw 8 AI+は$899(ドル建て・単純換算で約14万円)でした。新型のClaw 8 EX AI+はNeweggやBest Buyで$1,699、MSI公式サイトでは$1,799です。$100の小売差はあるものの、どちらにしても前モデルのほぼ倍という水準です。WCCFtechも「almost twice as expensive(ほぼ2倍の価格)」と表現しています。
この価格帯は、もはや「ゲーミングハンドヘルド」のカテゴリではなく、「中級コンピュータ並み」と言っても過言ではありません。
競合にあたるAMD Strix Halo搭載のハイエンドハンドヘルドに至っては、RAMpocalypse以降$2,000超(単純換算で約32万円超)でリストされるものが相次いでいます。$1,699〜$1,799のClaw 8 EX AI+でさえ、この比較ではむしろ割安に映ってしまうほどです。なお、同じIntel Arc G3 Extremeを積んだ機種は他にもあるので、どの機種を選ぶべきかの比較はこちらでまとめています。
| 製品 | 価格(USD) | 円換算目安(単純換算) | 前世代比 |
|---|---|---|---|
| MSI Claw 8 AI+(前モデル) | $899 | 約14万円 | ― |
| MSI Claw 8 EX AI+(新型・小売差) | $1,699〜$1,799 | 約27〜29万円 | 約+89〜100% |
| Strix Halo系ハンドヘルド(各社) | $2,000超 | 約32万円超 | ― |
※円換算は2026年6月時点のドル建てを1ドル≈160円で単純換算したもので、国内小売価格ではありません。
この価格上昇はMSIだけの問題ではありません。BOMが上がれば、どのメーカーも同じ圧力を受けます。
少し先を読むと、楽観的になりにくい状況が見えてきます。
RAMpocalypseと呼ばれるメモリ価格高騰は、AIインフラへの設備投資が落ち着かない限り構造的に続く性格のものです。各種報道では2027年以降も需給の逼迫が続く可能性が指摘されており、「待てばいずれ安くなる」という自作PC民の常識が通じにくい局面になっています。
Arc G3 ExtremeというSoCのアーキテクチャ的な意味についてはこちらの記事で詳しく解説していますが、どれだけ優れたチップであっても、メモリとストレージの価格圧力はSoCの選択とは別の問題として重くのしかかります。
国内の正式な発売価格はまだ発表されていません。現時点では、Amazon.co.jpやヨドバシカメラなど国内大手での取り扱いも確認できていません。ただ、ドル建て価格に輸送コスト・輸入関税・流通マージンを乗せると、国内投入時はさらに高くなる可能性が高いです。直近の国内PCパーツ・ハンドヘルド市場における円安の影響を考えると、$1,699という価格の単純換算(約27万円前後)でさえ下限の目安に過ぎないかもしれません。PC全体の値上がりトレンドについてはこちらの記事でも詳しく触れています。
では今どう動くべきか。ここは正直に状況を整理します。
これは携帯ゲーミングPCというカテゴリが変質していることの始まりかもしれません。「ハンドヘルドは安い選択肢」という前提が崩れた今、自分の使い方と予算を改めて棚卸しするタイミングが来ていると思っています。
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Source: WCCFtech