AMD RDNA
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Radeon 890Mと860Mの違い

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Radeon 890MとRadeon 860Mは、どちらもRyzen AI世代の内蔵GPUです。

ただ、名前が近いだけで中身はかなり違います。890Mは上位Ryzen AI向けの16 CU構成、860MはRyzen AI 7 350向けの8 CU構成です。ゲームやローカルAIまで見るなら、この差は軽くありません。

この記事でわかること

  • Radeon 890Mと860Mのスペック差
  • 890M、880M、860M、840Mの見分け方
  • 軽いゲーム、普段使い、ローカルAIでどちらを選ぶべきか

Radeon 890M 860M 比較の要点

まず大枠です。

項目 Radeon 890M Radeon 860M
主な搭載CPU Ryzen AI 9 HX 370など Ryzen AI 7 350など
世代 RDNA 3.5系 RDNA 3.5系
GPU規模 16 CU 8 CU
GPUクロック 最大2,900MHz 最大3,000MHz
CPU側 12コア/24スレッド級 8コア/16スレッド級
NPU 最大50 TOPS 最大50 TOPS
位置づけ 上位iGPU ミドル向けiGPU
向く用途 軽量ゲーム、クリエイティブ、AI PCを長く使う 普段使い、軽いゲーム、価格重視

スペックシートだけ見ると、860Mのクロックが3,000MHzで高く見えます。

でも、ここで見るべきはクロックではありません。890Mは16 CU、860Mは8 CUです。GPU規模が倍違います。ベンチを回してみると話は変わってくる、というより、この段階でかなり方向性が違います。

890Mは上位Ryzen AIのiGPU

Radeon 890Mは、Ryzen AI 9 HX 370などに載る上位iGPUです。

AMD公式仕様では、Ryzen AI 9 HX 370は12コア/24スレッド、cTDP 15〜54W、LPDDR5x-8000対応、Radeon 890M、16 Graphics Cores、グラフィックス周波数2,900MHz、NPU最大50 TOPSです。

要するに、CPUもGPUもNPUも上位寄りです。

Radeon 890M搭載機は、薄型ノートでも軽いゲームをそこそこ動かしたい、外付けGPUなしで動画編集や画像編集も少し触りたい、AI PCとして長めに使いたい、という用途に向きます。

ただし、専用VRAMを持つdGPUではありません。

システムメモリを共有するため、LPDDR5Xの速度、メモリ容量、冷却、TDP設定で性能が変わります。同じ890Mでも、薄型筐体と高TDPミニPCでは結果が変わります。

860Mは価格重視のRyzen AI向け

Radeon 860Mは、Ryzen AI 7 350などに載るミドル向けiGPUです。

AMD公式仕様では、Ryzen AI 7 350は8コア/16スレッド、cTDP 15〜54W、Radeon 860M、8 Graphics Cores、グラフィックス周波数3,000MHz、NPU最大50 TOPSです。

注目したいのは、NPUが最大50 TOPSのまま残っていることです。

Copilot+ PC要件や軽いAI機能を使うだけなら、860M搭載機でもAI PCとしての要件は十分に見えます。普段使い、Office、ブラウザ、動画視聴、軽い写真編集、たまに軽量ゲーム。このあたりなら860Mでもかなり現実的です。

一方で、ゲーム性能を期待しすぎるとズレます。

860Mは8 CUです。旧世代の780Mや上位の890Mと同じ感覚で見ると、タイトルによっては物足りません。特に1080pで設定を上げたいゲームでは、890Mとの差が出やすいです。

890M、880M、860M、840Mを混同しない

Ryzen AI世代のiGPUは、名前がかなり紛らわしいです。

大まかにはこう見ます。

GPU 代表CPU GPU規模 見方
Radeon 890M Ryzen AI 9 HX 370 16 CU 上位。iGPUゲーム性能を重視するならまずここ
Radeon 880M Ryzen AI 9 365 12 CU 中上位。890Mほどではないがバランス型
Radeon 860M Ryzen AI 7 350 8 CU ミドル。価格重視、普段使い寄り
Radeon 840M Ryzen AI 5 340 4 CU エントリー。ゲーム目的ではかなり割り切る

買うときは、CPU名だけでなくGPU欄を見ます。

「Ryzen AI搭載」と書いてあっても、890Mとは限りません。Ryzen AI 7 350なら860M、Ryzen AI 5 340なら840Mです。ここを見落とすと、買ったあとにゲーム性能でがっかりします。

ゲーム目的なら890Mを選びたい

ゲームを少しでも重視するなら、890Mを選んだほうがいいです。

Radeon 860Mでも、軽いeスポーツ系タイトルや古めのゲームなら遊べます。設定を落とし、解像度を調整し、FSRを使えば現実的な場面はあります。

ただ、890MはGPU規模が倍です。

Radeon 890Mは、既存のベンチマークでもiGPUとしてかなり高い位置にいます。Notebookcheckの集計では、890M搭載機はミニPCや薄型ノートで複数の実ゲーム結果が出ており、TDPと冷却で差があることも分かります。

大事なのは、890Mでも「ゲーミングノートの代わり」ではないことです。

AAAタイトルを高設定で遊ぶならRTX LaptopやRadeon dGPU搭載機を見ます。外付けGPUなしで軽いゲームを快適にしたいなら890M。価格を抑えて、ゲームは本当に軽めでいいなら860M。この切り分けです。

ローカルAIではNPUよりメモリとGPU規模を見る

Radeon 890Mと860Mは、どちらもRyzen AI世代なのでNPUが強いです。

Ryzen AI 9 HX 370はNPU最大50 TOPS。Ryzen AI 7 350もNPU最大50 TOPSです。ここだけ見ると、AI PCとしてはかなり近く見えます。

でも、ローカルAIを本気で見るならNPUだけでは足りません。

ローカルLLMや画像生成では、GPU、メモリ容量、メモリ帯域、使うツールの対応が効きます。NPUは常時動作の軽いAIや省電力処理で重要ですが、大きめのモデルを動かす主役をNPUだけと考えるとズレます。

この見方では、890Mのほうが余裕があります。

16 CUのGPU規模、上位CPU、搭載機のメモリ構成を考えると、AIツールをいろいろ触るなら890M搭載機を選びたいです。860Mは、クラウドAIやOS内蔵AI、軽いオンデバイスAIを使うPCとして見るほうが自然です。

8060Sとは役割が違う

890Mや860Mの上には、Radeon 8060S / Ryzen AI Maxがあります。

ここは同じiGPUという言葉でまとめると危険です。

Radeon 890Mと860Mは、薄型ノート向けの高性能内蔵GPUです。消費電力、薄さ、バッテリー、価格とのバランスが重要です。

一方でRadeon 8060Sは、Ryzen AI Max+ 395級の大きなSoCに載るGPUです。最大128GB級のユニファイドメモリやローカルAIの文脈まで含めて見る製品です。

つまり、こう分けます。

目的 見るGPU
安くAI PCを買う Radeon 860M
軽いゲームとAI PCを両立 Radeon 890M
ミドル帯RTXなしで強いiGPUが欲しい Radeon 890M
ローカルLLMや大容量メモリを重視 Radeon 8060S
CUDA前提のAIや重いゲーム RTX Laptop

890Mと860Mの比較は、あくまで薄型ノート内の選び分けです。ローカルAIを本気でやるなら、8060SやRTX Laptopまで見ます。

買う前に見るべきポイント

Radeon 890M / 860M搭載機は、GPU名だけで選ばないほうがいいです。

見る順番はこれです。

優先度 チェック項目 理由
GPU名 890M、880M、860M、840Mで性能帯が違う
メモリ容量 iGPUはシステムメモリ共有なので16GBと32GBで余裕が違う
メモリ種類 LPDDR5Xの速度がiGPU性能に効く
冷却とTDP 同じGPUでも筐体でベンチ結果が変わる
NPU TOPS AI PC要件や省電力AI処理に関わる
価格差 860M機が安いなら十分に候補
USB4や外部出力 ドック運用や外部モニターで効く

個人的には、16GBメモリの890Mより、32GBメモリの860Mを選ぶ場面もあります。

軽いゲームをするなら890M優先。でも、普段使いとAI PC機能が中心で、ブラウザのタブを大量に開くならメモリ容量もかなり重要です。

今買うならどちらか

今買うなら、判断はかなりシンプルです。

使い方 選び方
軽いゲームをそこそこ遊びたい Radeon 890M
iGPU性能を重視する Radeon 890M
画像編集や軽い動画編集も見る Radeon 890M
価格を抑えたい Radeon 860M
Office、ブラウザ、動画視聴中心 Radeon 860M
NPU対応AI PCを安く欲しい Radeon 860M
長く使う1台にしたい 890M + 32GB以上を優先
ローカルAIを重視 890M以上、できれば8060Sも比較

Radeon 860Mは悪いGPUではありません。

ただ、名前の印象よりもミドル寄りです。ゲーム性能を期待して買うなら、890Mとの差を理解しておくべきです。

一方で、890Mはまだかなり強いiGPUです。RTX Laptopまでは要らないけれど、内蔵GPUで軽いゲームやクリエイティブ作業をしたいなら、今でも選ぶ理由があります。

まとめ:ゲームなら890M、価格なら860M

Radeon 890Mと860Mは、同じRDNA 3.5世代でも役割が違います。

890Mは16 CUの上位iGPU。ゲーム、軽い制作、AI PCを長く使う1台として見やすいGPUです。

860Mは8 CUのミドル向けiGPU。普段使い、NPU対応AI PC、価格重視のノートとしては十分に候補になります。

大事なのは、クロックだけで判断しないことです。860Mは3,000MHzでも、890Mは16 CUです。GPU規模、メモリ、TDP、冷却まで見て選びます。

ゲームもAIも少し欲しいなら890M。価格と普段使い優先なら860M。ローカルAIを本気で見るなら8060SやRTX Laptopまで上げて考える。

この切り分けなら、Radeon 890Mと860Mの選び方はかなりはっきりします。

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